通信社に払う配信料は加盟社の経営規模や新聞の発行部数などにより、年間数千万円から数億円までの幅がある。例えば、現在、2大通信社のもう一方である共同通信に1億円を払ってニュースの配信契約を結んでいる地方紙に対し、「うちは7000万円でいい」と“安売り攻勢”を仕掛けて、乗り換えさせる“共同潰し”が、「読売通信社」の狙いだとの指摘もある。

 さらに時事の持つ海外通信社との太いパイプを活かせば、欧米のメディアに自社の記事を配信する「海外展開」も可能となる。

 本誌の取材に対し、双方とも合併検討を否定したが、業界関係者の間で噂が消えないのには理由がある。読売関係者の話だ。

「通信社は紙面を持たない分、印刷の手間も省け、新聞よりも速報性で勝り、社説もないから政治やイデオロギーなど“色”も付かない。そのため放送局やインターネット事業者、政府機関や政党に至るまで、抵抗感なく配信サービスを受け入れてくれる。

 渡邉恒雄会長・主筆は、怪我をする2013年まで、時事の新年会に毎年出席していた。読売は時事との関係も良好。社内でも合併は上手くいくという意見は多い」

※週刊ポスト2016年7月8日号

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