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球界最年長・70歳のロッテ打撃投手の生き様

「里崎は即戦力として期待されて入団したけれど、ケガが多くてなかなか一軍に上がれなかった。聞けば、大学時代から朝食を摂る習慣がないという。だから寮生全員参加の朝の散歩の後、直接食堂に連れて行った。

 小学生じゃないから何を食べるかまでは指示しなかったけれど、オレンジジュースでもパンでも何でもいいから、とにかく口に入れろ、と。朝食を摂るようになってからは、生活にリズムができてコンディションが良くなったためか、ケガも減って、間もなく一軍のレギュラーに定着したよ」

 これまで池田は寮長・打撃投手として、里崎のほかに、今江敏晃、西岡剛など多くのスター選手たちを一軍に送り出してきた。彼らには共通点があったという。

「暇さえあれば練習に励む選手。プロ向きの根性を持った選手。一軍で活躍するタイプは色々だけど、共通しているのはスタイルを変えない点。彼らは自分で決めたことはやり続けた」

 だが、スター選手が誕生する一方、若くして球界を去る選手も多数いる。

「どんな選手も時間をかければ上手くなれる。運命の分かれ目は、球団に成長するまで待とうと思わせる、光るものがあるかどうか。そういう意味では、ケガで可能性を絶たれる選手は気の毒だよ。

 私も26歳の時に肩を壊して、30歳で球団からコーチを打診された時は、『まだ現役でできるのに』と大いに悩んだ。今から振り返ると自惚れでしかなかったと思えるけど、当時は客観的視点を受け入れられなかったんだよね。その気持ちがわかるだけに、まだ若いのにケガで諦めなければいけない選手を見送るのは本当に辛いね」

 若い選手は短期間で急成長することがある、その様子を間近で見られることが何よりの喜びだ──池田はそういって目を細める。

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