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ネットニュースの荒れるコメント欄は学びの場である

ネットニュースにコメントしたことある?(写真:アフロ)

 ネットニュースのコメント欄にはさまざまな「意見」が寄せられる。大人力コラムニスト・石原壮一郎氏は宮本武蔵の姿勢から学びを得るという。

 * * *
 吉川英治が書いた小説『宮本武蔵』に「我以外皆我師」という言葉が出てきます。読み方は「われ以外みなわが師」。自分以外のすべての人は自分の「師」であり、心がけ次第でたくさんのことを学ぶことができるという意味です。大人が大人として成長していくために、忘れてはいけない言葉であり考え方だと言えるでしょう。

 それはさておき、いま日本でもっとも影響力が大きいニュースメディアといえば、文句なしに「Yahoo! ニュース」です。この「NEWSポストセブン」をはじめ、提携先のたくさんの媒体が記事を提供しています。現在、この記事をYahoo!経由で読んでくださっている方も多いでしょう。

 毎日アップされる大量の記事の中から選ばれたいくつかが、Yahoo!のトップページのトピックス、通称「ヤフトピ」で紹介されるという仕組みで、その途端アクセス数も認知度も一気にアップします。メディア関係者にとって、自分が関わった記事が「ヤフトピ」で紹介されることは、何よりの喜びであり名誉であり励みに他なりません。

「Yahoo! ニュース」の特徴のひとつが、コメント欄の盛り上がりっぷり。匿名ということもあって、率直というか脊髄反射的というか本音丸出しというか、それなりに話題になっている事件のコメント欄をのぞくと、あまりの混沌ぶりにめまいを起こしそうになります。「おいおい」と言いたくなるコメントも多いことから、「ヤフコメ(Yahoo!のコメント欄)」の「ヤ」を「ア」に、「フ」を「ホ」に変えて呼ぶ人もいるとかいないとか。

 いや、もちろんあの欄は、ニュースに対する「フツーの人たちの生の声」を知ることができる貴重な場です。SNSにせよ実生活にせよ、どうしても「自分と考え方が似た人」とばかり付き合いがち。しかし、あそこでは自分の交友関係や想像力をはるかに超えて、「リアルではまず聞けないような意見」が縦横無尽に飛び交っています。

「ヤフコメ」の偉大さは、多様な意見が渦巻いていることだけではありません。大人にとって大切な「学び」や「気づき」をたくさん与えてくれます。「我以外皆我師」の精神で「ヤフコメ」を読むことで、呆れる気持ちや不愉快な気持ちや見知らぬ他人を見下したくなる誘惑をけ散らしながら貪欲に学んでしまいましょう。

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