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日本で一番「女性の健康余命」の割合が高い静岡の県民性

静岡県のシンボルで県旗にもなっている富士山

 健康寿命を表す指標として、新たな研究結果が報告され話題になった。それは、茨城県立健康プラザ研究員で、聖徳大学看護学部教授の栗盛須雅子さんが「健康寿命」を調べたもの。「健康寿命」とは、介護の必要や障害があるといった生活の支障がなく、健康に日常生活を送れる年数を指す。

 栗盛さんは。厚労省の調査よりも実態に即したWHOが採用している方法で調査を実施。「平均余命に占める健康余命の割合」を都道府県別にランク付けすると、これまで長寿のイメージが強かった沖縄が、男性ワースト1位、女性ワースト2位という結果となった。そして、男性では茨城県がトップ、女性では静岡県がトップとなった。

 今回の調査結果には、少なからず県民性というものが影響しているはず。そこで、女性トップの静岡県を例に、どんな生活を送って健康になっているのか、検証してみる。まず、静岡の県民性について、ナンバーワン戦略研究所所長・矢野新一さんがざっと説明する。

「土地が豊かで、海の幸も山の幸もいろんなものがとれます。だから静岡県民は日本一お米を食べるし、魚も野菜もよく食べる。静岡バス乗車法というのがあり、バスの停留所で静岡県民は並ばないんですが順番に乗るんです。こせこせしてなくて、余裕があるのも、土地が豊かだったことと無関係ではないでしょう」

 東京から新幹線と電車を乗り継いで3時間20分。女性セブン記者は、静岡県森町を訪ねた。静岡県の西部に位置するこの町は、面積133.91平方キロメートルのうち約70%が山林で茶と稲作が盛んな自然豊かな町。人口1万8988人のうち、3人に1人が高齢者(30.9%)だ。

 実は森町は、静岡県が2009年から独自に算出している、県内市町別「お達者度」で男性、女性ともに1位となっている(昨年度)。ちなみにこの「お達者度」は、65才における平均自立期間(介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、自立して健康に生活できる期間)を市町の介護認定・死亡情報をもとに生命表で算出したもの。

 つまり、森町の女性は、今日本でいちばん、ピンピンコロリ(より長く健康に過ごして死ぬ)を実現しているといえるのだ。まず記者が目指したのは、町の中心部に最も近い駅から850mほどの場所にある地域包括支援センターだ。

 驚くことに、歩いてわずか8分程度の間に4人の高齢者に声をかけられた。「どこ行くだ?」「どこから来ただ?」──自転車に乗った70代と思われる女性や老夫婦らは、そんなふうに口々に声をかけ、道順を説明しながら、こちらが聞いてもいない自分の予定をひとしきり話し、去っていった。

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