北野さんと近所づきあいがあった男性が、香川と北野さんの間にご近所トラブルがあったことを証言する。

「北野さんが、“下の人がうるさいからって床にマット敷いてんねん”って言ってたことがあってん。ここは木造で、壁も薄いしな。マンションみたいに防音がしっかりしてることはないけど、まあみんなそれなりに暮らしてるわな。香川さんは何度か会ったことはあるけど挨拶するような人じゃない。ずっとひとりもんで、もう何年か知らんけどいつも家にいたんちゃうか」

 東京未来大学こども心理学部教授で犯罪心理学者の出口保行さんは「そもそも犯罪には田園型と都市型がある」と話す。

「田園型は田舎の濃密な人間関係から、下手したら24時間監視されるような環境にあります。だからこそ、隣人が倒れていると誰かが気づくといった共助・互助というメリットもありますが、いい方向に働かないこともある。長いつきあいから“これだけしたら感謝してくれるのが普通だよね”といった甘えやボタンのかけ違いが増えると、時間をかけて溝が深まっていきます。

 都市型はお互いを知らないので、情緒的つながりがありません。その分、ある日突然攻撃的行動を起こしやすい。つながりがないので、なにかされると攻撃されたと受け止めて攻撃してしまう。事件に発展するのも早いです」

 出口さんは高齢者がトラブルを起こしやすい原因を「人格の硬直化」だと分析する。

「年とともに経験が豊富になるので、長年の経験と、価値観によっていろんな物事を判断します。生活スタイルや考え方など、注意を受けたからやめる、といった柔軟な対応が難しくなり、自分の要求に固執する。そこからトラブルに発展するといった面が認められます」

 それは脳の変化が関連していると指摘するのは、長野県で地域精神医療に従事する精神科医の熊代亨さんだ。

「健康な人でも年齢とともに脳の機能は低下していきます。例えば、我慢などの社会的な行動を制御している前頭葉は、高齢になると多かれ少なかれ弱ってきます。また、トラブルの要因として、専門家でも判断が難しいタイプの認知症を発症しているケースもあります。

 さらに高齢者は定年退職、配偶者や知人の死など、これまで築き上げてきた社会的なつながりや家族の支えを徐々に失っていくことにより社会的に孤立して、これまで社会適応できていたのが精神的な限界を超えてしまい、行動が制御できなくなることもあります」

※女性セブン2016年7月21日号

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