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がん細胞の特定タンパク質だけを抑制する分子標的薬登場

 近年、がんの治療薬として、さまざまな分子標的薬が登場している。従来の抗がん剤は、がんが正常細胞より増殖スピードが速いことを利用して、がんを攻撃する。そのため増殖の速い正常細胞も攻撃され、重篤な副作用が生じることもあった。それに対し、分子標的薬は、がん遺伝子の異常により、産生される特定のタンパク質だけをターゲットに、その働きを抑制する。つまり、対応する遺伝子に異常がなければ、効果が発揮されない。

 北海道大学病院オリジナルのクラーク検査Lは、160の遺伝子の異常を網羅的に調べるのが特徴だ。開発した北海道大学病院がん遺伝子診断部の西原広史統括マネージャーに話を聞いた。

「検査は、手術や生検などで採取した、がん細胞の核酸と、ご本人の血液中の正常細胞の核酸を解析し、比較します。院内で解析したデータは、AGCTのランダムな配列から、リシークエンスという作業を経て核酸断片に並べ直します。そのデータを提携企業に送り、2週間でアノテーションを行なって、意味のあるデータにします。この作業を経て、がん遺伝子の異常を読み取ることができるようになります」

 北海道大学病院では、クラーク検査以外に、オンコプライム検査も実施している。これは京都大学病院や岡山大学病院でも行なわれているもので、検査対象遺伝子が210と多いが、がん細胞だけが対象で正常細胞との比較は行なっていない。

 検査は、アメリカの企業が行なっており、検査期間は5週間と長い。オンコプライム検査では、遺伝子の小さな変異だけではなく、遺伝子の一部が他の遺伝子の一部とくっついた融合遺伝子を17種類調べることも可能だ。

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