国際情報

中国製コンドームの「穴だらけ品質」が社会問題に

品質管理への意識が高まるか(写真:アフロ)

 これも「爆買い」の動機となる事象の一つといえるのかもしれない。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。

 * * *
 コンドームの宣伝文句には薄さを強調したものが目立つ。ただしこれは破れないことが大前提である。もしこの信頼関係がなければ消費者が背負うリスクはあまりに大きく、安心して使用することはできない。だが、こんな生産者への信頼が崩れてしまう大問題を報じたのが中国・四川省のメディアである。その一つの『華西都市報』の記事の見出しはこうだ。

〈偽ブランドコンドームを買った女性が3カ月で2回妊娠〉(2016年6月23日)

 被害に遭ったのは18歳の女性で名前は小雨さん。彼女が自らの妊娠を知ったのは今年3月、胃腸の調子が悪いと受信した病院で産婦人科にかかるように勧められたことがきっかけだった。

 結果は妊娠。しかし、小雨さんには思い当たることがない。ボーイフレンドはいるものの性交渉には必ずコンドームを使用していたからだった。不思議に思いながらも彼女は仕方なく人工中絶を行ったのだった。

 だが、意外なことはこれで終わらなかった。中絶手術から2カ月、再び彼女は妊娠したのだ。さすがに不思議に思った小雨はやっとこの時点でコンドームを疑う。だが、その疑惑の目は品質ではなく、彼女の両親に向けられた。小雨は、両親が孫の顔を見たさにこっそりコンドームに穴をあけたのではないかと疑ったのである。

 早速彼女は両親を問いただしたが、両親は言下に否定。いよいよコンドームそのものを疑い始め、問題の発覚になったのである。

 騒ぎを受けて現地のメディアが取材に乗り出す中、成都テレビの記者が問題のコンドームを突き止め、40元を支払ってコンドームを2ダース購入。水を入れて膨らませる実験を行ったところ、7つのコンドームは未使用の状態ですでに穴が見つかったという。しかも、ひどいものだと穴が5つも見つかったというから驚くしかない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
新宿・歌舞伎町で若者が集う「トー横」
虐待死の事例に「自死」追加で見えてきた“こどもの苛烈な環境” トー横の少女が経験した「父親からの虐待」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン