政治的な意思表示のできない天皇。その覚悟を忖度した周辺が、官邸サイドにあえて衝撃を与える情報の出し方をしたとすれば、意図はどこにあるのか。皇室ジャーナリスト・神田秀一氏はこういう。
「82歳になった天皇陛下は2003年に前立腺がんの手術を受け、2012年には狭心症と診断されて冠動脈のバイパス手術を受けています。そうしたなかで、悠仁親王の世代には他に男性皇族が1人もいないという状況があり、皇室の未来を考える上では女性宮家創設といった課題が議論されて然るべきですが、棚上げされてきました。
結果として、今回のNHKの報道後、菅義偉・官房長官が会見で女性宮家の創設の検討に言及するなど、棚上げされてきた皇室の未来にかかわる議論が動き出そうとしています」
そうした流れを作り出そうとする思いが今回の報道の裏にあったのだろうか。
撮影■日本雑誌協会代表取材
※週刊ポスト2016年8月5日号