ライフ

重傷化の例も ペットが虫に刺されないためにはどうすべきか

ペットが虫に刺されたらどうする?(PH:Thinkstock by Getty Images)

 物言わぬペットのとっさのトラブルに、どう対処すればいいのか、悩んだ経験がある人は多いのではないだろうか。

「5才のゴールデン・レトリバー(♂)を連れてキャンプに行ったのですが、足をブヨに刺されてしまいました。家に帰る頃には、腫れて足を引きずるほどに。病院へ連れて行きましたが、完治に2週間もかかりました。夏の虫対策や刺された時の応急処置を教えてください」(広島県・ありさ・39才主婦)

 この悩みに、小学館ジュニア文庫『動物たちのお医者さん』の構成などがある白金高輪動物病院総院長の佐藤貴紀さんが答えてくれた。

 * * *
 虫の中でも特に、蚊やノミ、マダニは犬の健康を大きく害する可能性があります。ですから、ペットも虫対策が大切です。愛犬にも安心して使える、天然素材の虫よけアロマスプレーなどもあるので、お出かけの際は活用し、飼い主が守ってあげてください。

 お出かけの際だけでなく、虫対策で最も気をつけたいのが「フィラリア症」です。フィラリア症とは、蚊を介して犬の心臓に寄生虫が住みつく感染症です。フィラリア症は毎月1度の投薬で予防できるので、蚊が発生する5~11月くらいまでは、飼い主の責任として必ず行ってください。

 蚊の発生時期は地域ごとに異なりますから、投薬期間はかかりつけの獣医師と相談して決めるのがおすすめです。

 投薬だけでなく、日常生活でも注意が必要。蚊は水が溜まった場所に繁殖するので、バケツなどを外に出しっぱなしにしないようにしましょう。

 また、ノミはアレルギー性皮膚炎や、瓜実条虫という寄生虫感染症を起こすことがあり、マダニはバベシア症という、犬の赤血球を壊して貧血にする感染症を運ぶこともわかっています。

 ノミやマダニの予防薬にはさまざまなタイプがあり、月に1度、皮膚に直接つける外用薬から、最近では3か月に1度のませるだけでいい薬まで出ています。いずれも動物病院で処方してくれるので、暑くなる前に相談を。まだ、これらの予防薬を手に入れていない人は、今からでも遅くありません。すぐに動物病院へ。

 どんなに予防していても、絶対に刺されないという保証はありませんので、刺されても重症化しないよう、薬で予防することが大事なのです。

 では、蜂やブヨなどはどう対処すべきか。残念ながら、洋服などを着せて防ぐ方法しかありません。

 もし刺されても、絶対に患部を刺激してはいけません。冷やすのも×。アナフィラキシーショックなどを起こす可能性があるため、すぐに動物病院でアレルギー治療などを行ってください。キャンプなど、虫が多い場所に遊びに行く際は、近くの動物病院を調べておくと安心です。

※女性セブン2016年8月4日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト
離婚を発表した加藤ローサと松井大輔(右/Instagramより)
「ママがやってよ」が嫌いな言葉…加藤ローサ(40)、夫・松井大輔氏(44)に尽くし続けた背景に母が伝えていた“人生失敗の3大要素”
NEWSポストセブン