国内

大前氏 観光大国化には大自然や風景楽しめるルート開拓せよ

世界各国・地域への外国人訪問客数ランキング

 日本の成長戦略の1つに掲げられているのが「観光」だ。たしかに、数年前まで600万~800万人台だった訪日外国人客数は一気に2000万人近くまで達し、観光地では数多くの外国人を見かけるようになった。さらに日本への観光を伸ばすにはどうすればいいか。大前研一氏は、「外国人に新たな日本を発見してもらう必要がある」と指摘する。

 * * *
 外国人観光客に発見してもらうべき新たな日本は「京都」「奈良」「箱根」「日光」「高山」「銀座」「秋葉原」「東京スカイツリー」「渋谷109」といった“点”ではない。日本の美しい自然を満喫できる“線”や“面”の周遊ルートでなければならない。

 各自治体も「インバウンド需要」を取り込むべく地元の観光地をプッシュしているようだが、なかなか浸透しない。役所が“点”で考え、ちまちまとバラバラに打ち出しているからだ。

 一方、観光庁は外国人旅行者の地方への誘客を図るため、「ゴールデンルート(東京~富士山~関西)」に次ぐ観光コースとして、北海道、東北、中部、関西、四国、九州など7つの「広域観光周遊ルート」を認定している。

 しかし、それらはあまりにも「広域」すぎる。1週間以上の滞在が普通の欧米人観光客はともかく、中国人観光客の旅程は3泊4日か4泊5日が主流なので、もっとエリアを絞り込み、1日単位のコースを組み合わせた短期間のルートを設定すべきである。

 では、日本の美しい自然を満喫できる“線”や“面”の新しい周遊ルートは、どのようなものが考えられるか? 大学時代に「通訳案内士」の国家資格を取得してアルバイトで2500人の外国人観光客をガイドし、その後も全国各地を車やバイクで旅してきた私が有望だと思うのは、たとえば北海道の札幌~登別温泉~洞爺湖だ。

 登別温泉の周辺には噴煙が上がっている火山や国内トップクラスの透明度を誇る倶多楽湖などがある。2008年の洞爺湖サミットでメイン会場になった「ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ」は洞爺湖の全景と反対側の内浦湾(噴火湾)の両方を見下ろす標高625mのポロモイ山山頂にあり、壮大なスケールの絶景が楽しめる。

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン