スポーツ

強いといわれる降級馬 クラス下げて強く走れる条件とは

降級しても走る馬の見分け方は

 4歳馬は、6月の開催替わりで、クラス分けの基準となる本賞金額が半額になり、多くの馬が下のクラスへと降級する。夏競馬で条件戦の馬券検討をする際のファクターとして重要なのがその降級馬の存在だ。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、降級馬についてお届けする。

 * * *
 中央競馬の場合、一つ勝てばクラスが上がるので、レースごとにクラスの上がる馬が出る。時期が進めば進むほど上のクラスの馬が増えるわけです。一方で、レース編成は下級条件ほど多く組まれます。降級というシステムは、上級クラスの馬の数の調整という意味合いもあります。

 一般的に、降級馬は強いといわれています。上のクラスで走っていただけに力が違うためです。しかしご承知のとおり、競馬はそう単純なものではありません。

 降級制度は厩舎としても思惑があります。あるクラスで結果が出ない馬については、一度走らせてから休みを挟み、降級レースで使う。そうすると馬の育成のペースが作りやすいんですね。それまで休みが長かった馬も、同様の使い方をすることがあります。

 そういった明確な意図がある場合はいいのですが、一度崩れてしまった馬は、いくら降級して相手の力が下がるからといってもすんなりと勝てるとは限りません。

 レースで悪い負け方をした場合、調教も崩れていることが多い。そういう馬はクラスを下げても強く走れない。馬券検討のひとつとして、降級馬が、そこまでのレースで崩れていないかどうかを見極めることが大事です。

「クラス慣れ」という言葉があります。通常は昇級した上のクラスのペースや雰囲気に慣れる、という意味で使われますが、慣れることができない馬もいる。こういう馬は降級すると下のクラスの空気に同化してしまうことがあり、格上馬らしい強さを見せることができません。群れに順応する性質のせいか、馬はレベルが下がっても慣れてしまうことがあるのです。

関連キーワード

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン