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うつ病治療で広がる選択肢 投薬に頼らない磁気治療も

「人間の脳のなかで、頭の奥のほうにある扁桃体からマイナス感情が出てくることがわかっています。その扁桃体を制御しているDLPFC(背外側前頭前野)が機能しなくなると、不安で眠れなかったり、人前に出るのが怖くなったりして、日常生活を送ることが苦しくなるなど、うつの症状が出ることがわかっています。そこで、DLPFCに磁気で刺激を与え、もともとの機能を回復させようというのがTMS治療です」(同前)

 接骨院や鍼灸院などで、肩こりや腰痛の治療に使われている磁気治療を知る人は多いだろう。その磁気治療を、脳の機能回復にも利用しているというとイメージしやすいだろうか。もともとの機能を脳に思い出させマイナス感情が暴走する「うつ」を治すTMS治療は、30回が目安となっている。

「1回、2回ですぐに効果が出ることは少ないですし、もし早めに効果が出たとしても不十分なことが多いので、TMS治療は30回が目安となっています。30回の治療で84%の方が回復されています。副作用がほとんどないのが、この治療の特徴です。」(同前)

 気になる費用だが、新宿ストレスクリニックの場合、光トポグラフィー検査は1万2000円、TMS治療の費用は1回18,340円で、30回で55万200円になる。もちろん、医療費控除や確定申告が適用できる。

 最近は、うつ病からなかなか回復できず、長期にわたって苦しむケースが増えているといわれる。

「当クリニックへいらっしゃる患者さんは平均して5年以上、薬による治療を続けてから来院される方が多いです。どこの病院へ行くかで患者さんの運命が変わります。ですから、できれば最初は、検査や治療についていろんなことを提案してくれる場所へ相談にいくことをおすすめします」(同前)

 現在の自分が「うつ」ではないかと少しでも疑いがあるなら、客観的な数値で診断される光トポグラフィー検査を検討してみるべきだろう。また、治療を受ける際は、選択肢のひとつとして投薬以外にTMS治療があると知っていると、追い詰められた気持ちも少しはやわらぐのではないだろうか。

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