ビジネス

軽自動車不振 スズキとダイハツ「乱売合戦」宴のあと

中古車市場でも軽自動車の値崩れが始まっている

 庶民の足、軽自動車の販売台数減少が止まらない──。7月の販売台数は13万3800台で前年に比べて6.3%減。前年同月比のマイナスはこれで実に19か月連続だ。リーマンショック時の14か月をとっくに超えてなお、好転の兆しが見えてこない。

 軽自動車がここまで不振に喘いでいる原因は何か。自動車ジャーナリストの井元康一郎氏がレポートする。

 * * *
 軽自動車といえば、消費税増税までは縮小を続ける日本の自動車市場において、「優等生」のような存在だったはず。2014年には新車販売の実に4割を軽自動車が占めるほどだった。その軽自動車の販売がなぜ、これほど急激に悪化してしまったのだろうか。

 よく言われるのは、消費税が8%に引き上げられたこと、そして昨年春に軽自動車税が50%アップしたことのダブルパンチがもろに響いたということ。軽自動車も最近は4人乗り限定ではあるが、室内がとてつもなく広いクルマやクロスオーバーSUVなど、いろいろ面白いクルマが増え、お値段もずいぶんお高くなった。

 ところが、「平均売価を調べると、軽自動車と普通車のコンパクトの間には厳然とした差がある」(鈴木修・スズキ会長)と、依然として庶民の乗り物だ。支出増への感度が高い層が中心であることを考えると、一応もっともらしい分析に見える。が、九州のある軽自動車販売会社首脳は、その見方には懐疑的だ。

「たしかに消費税増税の影響は厳しいものがありましたが、それは需要を先食いしたわけですから落ち込むのは当たり前です。お客様は8%ではなく、その先の10%まで見越して買い換えるケースが多かったので、そのぶん不振も長期化する。

 軽自動車税増税の影響もたしかに少しはあったでしょうが、維持費が理由なら、税金が4000円から5000円になっただけのボンネットバン(後席が狭く荷台が広いカーゴタイプの軽自動車)がもっと売れてもいいはず。1人、2人の移動はそれで十分ですからね。ですが、そうはならなかった。あくまで私個人の実感ですが、一時の軽ブームのほうが売れすぎ、いや、売りすぎだっただけだと思います」

 東日本大震災以降、軽自動車業界では人気の高まりを背景に、壮絶な販売合戦が展開されてきた。ホンダ『N BOX』やスズキ『ハスラー』などのヒット商品が次々と生まれたのも軽人気が伸びた一因だったが、それを考慮しても、市場全体の4割を軽が占めるというのは異常事態だったと言える。

トピックス

“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン