ライフ

「作者がPL学園OB」「テーマは銭闘」 野球漫画が多様化

 誰しも若い頃、胸を熱くし、夢中になった漫画があったことだろう。しかし多忙になるにつれ、漫画を手に取る機会も少なくなっていく。人生も折り返しを過ぎた今こそ、再び読み始めてはどうだろう。きっとあなたの老後は豊かなものになるはずだ──。

 そこで本誌では、各界の「漫画通」が薦める作品を「感動部門」、「政治・経済・社会部門」、「歴史部門」、「スポーツ部門」に分けてピックアップ。ここでは「スポーツ部門」の作品を紹介しよう。

 清原と桑田の“KKコンビ”をはじめ、毎年のように甲子園を沸かせていた名門・PL学園野球部の廃部を惜しむシニア世代は多いだろう。PL学園ならぬ「DL学園」の球児たちの奮闘を描いた『バトルスタディーズ』(なきぼくろ、講談社刊)を推薦するのは、スポーツライターで自身もPL学園野球部OBの井坂善行氏だ。

「作者のなきぼくろ氏も元PL野球部OBときいて読んでみたのですが、描写が凄くリアル。主人公のキャッチャーが、ショートバウンドを裁いた後に『ショーバンは1億回練習した……ミスるわけない』と呟くんですけど、これぞPL。私も何万回と練習しましたよ」

 他にも、グラウンド整備の独特な方法から付き人制度の地獄ぶり、練習中に水を一口飲むために悪戦苦闘する様子など、PL野球部OBでなければ描けない描写が満載だ。

 漫画家でもあるライターの杉作J太郎氏は、「私たちと同世代以上なら、『江川と西本』(原作・森高夕次、画・星野泰視、小学館刊)が絶対に面白い!」と息巻く。後に共に巨人のエースとして活躍する江川卓と西本聖を高校時代から追った物語だ。「怪物」として世間を沸かせた江川卓と、その陰で注目を浴びることのなかった「雑草」西本聖。

「『江川事件』の顛末を描いた作品です。この作品で初めて出てくる事実も多い。だから、読んでいてわくわくします」

 最後は、野球モノなのに野球よりも“銭闘”で読者をグイグイ引き込む『グラゼニ』(原作・森高夕次、画・アダチケイジ、講談社刊)だ。

 主人公の凡田夏之介はスーパースターでない中堅の中継ぎ投手だ。「グラウンドにはゼニが埋まっている(略してグラゼニ)」がモットーで、『どうすれば年俸が上がるか』ということばかり考えてマウンドに立っている。

「シーズン中よりも、『契約更改』のほうが手に汗握る。プロ野球選手には打力や走力だけではなく、生きていくための『人間力』が必要だと感じさせる漫画です」(『マンガ大賞』の発起人でニッポン放送アナウンサーの吉田尚記氏)

※週刊ポスト2016年9月2日号

トピックス

出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』でハリー・ポッター役を演じる稲垣吾郎
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』に出演、稲垣吾郎インタビュー「これまでの舞台とは景色が違いました」 
女性セブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反容疑で家宅捜査を受けた米倉涼子
「8月が終わる…」米倉涼子が家宅捜索後に公式SNSで限定公開していたファンへの“ラストメッセージ”《FC会員が証言》
NEWSポストセブン
巨人を引退した長野久義、妻でテレビ朝日アナウンサーの下平さやか(左・時事通信フォト)
《結婚10年目に引退》巨人・長野久義、12歳年上妻のテレ朝・下平さやかアナが明かしていた夫への“不満” 「写真を断られて」
NEWSポストセブン
バスツアーを完遂したイボニー・ブルー(インスタグラムより)
《新入生をターゲットに…》「60人くらいと寝た」金髪美人インフルエンサー(26)、イギリスの大学めぐるバスツアーの海外進出に意欲
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン