──台湾企業に買われたシャープのブランドイメージは大きく変わっていくと思うか。
小宮:これまでも三洋電機が中国ハイアールに買われたり、IBMのパソコン部門がレノボに、最近では東芝の白物家電が美的集団に売却されたりするなど、確かに日本を代表するブランドは大きく様変わりしています。
しかし、たとえオーナーが変わっても、先端技術を駆使し、品質のいい製品を作り続けることができれば、国内でもブランドは生き残っていける。
シャープは人材難を乗り越え、どれだけ再建を担う事業を育てられるか。まずは鴻海のお手並み拝見といったところでしょう。
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取材後、シャープをめぐる報道は慌ただしさを増し、「中国での太陽電池参入」「撤退していた欧米のテレビ事業の買い戻し」「2年以内に黒字化」といった、積極果敢な経営方針が次々と漏れ伝わっている。
だが、小宮氏もいう通り、「信賞必罰」を掲げるドライな鴻海流経営だけに、利益を生まないヒト、モノ・カネには容赦のない“選別”が繰り返されていくことになるだろう。