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小泉進次郎の「育ての母」 父・純一郎が明かした秘話

「故人は伯母ではありますが、ぼくと兄・孝太郎のまさしく『育ての親』です。派手なことを嫌う人だったので、ぼくがお礼を述べるのは、『何をやっているのか』と怒られるでしょう。しかし、ぼくはそれでも、ありがとうと言いたい」

 8月28日、神奈川県横須賀市で小泉道子さん(享年84)のお別れ会がしめやかに営まれた。喪服の左胸に議員バッジをつけた小泉進次郎(35才)は開会前、スタッフを前に、こう声を絞り出した。

 この日、白い花が並べられた祭壇前の親族席には進次郎と並んで、「喪主」と書かれた喪章をつけた父・純一郎(74才)と目蓋を腫らせた兄・孝太郎(38才)が座った。進次郎が政治家になって以来、公の場で親子3人が勢揃いしたのは初めてのことだ。

 8月20日に老衰で亡くなった道子さんは純一郎の姉。幼くして実の母と離れ離れになった孝太郎と進次郎にとっては、「育ての親」でもある。

 今年2月、進次郎は道子さんのため1億円をかけて横須賀の実家をリフォームしたが、道子さんが新居で過ごした日々はあまりに短かった。

 この日のお別れ会の会場には、進次郎の同僚議員や市川海老蔵(38才)の母・希実子さん、生前の道子さんがたしなんだ茶道の関係者が姿を見せていた。200人ほどの参列者を前にして、髪の毛が真っ白になり、以前よりも体格が小さくなった印象の純一郎が壇上に立った。手には原稿を持たず、嗚咽で何度も中断しながら弔辞を読み上げると、会場は涙に包まれた。

◆帰ったときには必ず“ママ”がいる

《亡くなる前日の午後、私が病院に見舞った際、「体のどこか痛いところは?」と聞きましたところ、首を横に振って、目は閉じたままで「ああ、ああ」と何か言いたそうな様子でした。その夜、進次郎が見舞った際、進次郎が「進次郎だよ」と言ったら、ぱっと目を開けて、首をぐっと下げました。

 その翌朝、病院の院長先生、看護師のかた、そして同じ部屋に寝泊りしておりました純子(道子さんの娘)に見守られて、穏やかに、永遠の眠りにつきました》(純一郎の弔辞より。以下《 》内、同)

 道子さんは防衛庁長官などを歴任した父・小泉純也の長女として生まれた。三女の信子さんが父や弟・純一郎の秘書を務め、小泉家を東京で支えたのとは対照的に、優しく温厚な道子さんは常に一歩引き、横須賀の実家から一家を穏やかに見守った。小泉家の知人が言う。

「道子さんは純一郎さんに表情がよく似た細身の女性でした。お花が好きで、近所の人にお茶を教えていました。小泉家にはお手伝いさんがいるけど、夜になると帰ります。兄弟が小さいときは3人で夜を過ごしていたそうです」

 純一郎も「小泉家を守る」ことが道子さんの生きがいだったと話した。

《弟の私が言うのもなんですが、故人は本当によくできた人だと思っております。優しく、謙虚で、しかもしっかりと我々留守がちの小泉家を守り続けてくれました》

 小泉家を守るため、道子さんが最も心血を注いだのは、「子育て」だ。純一郎が離婚した後、残された幼い兄弟の面倒を一身に背負ったのが道子さんだった。

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