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店員による「なります」「ほうは」は“ファミコン敬語”

オバ記者、店員の「ファミコン敬語」に苦言を呈す!

 本誌名物記者・オバ記者が今回気になったのは、店員が使う敬語について。誰を敬っているかわからない敬語が横行している昨今に、オバ記者、苦言を呈す!

 * * *
「ただいま、満席をちょうだいしておりま~す」

 ここ最近、週末の夜に、行き当たりばったり、予約しないで居酒屋に行くと、店長らしき人が出てきて、喜々としてこう言うの。

 空腹の客を追い返すのが、そんなにうれしいか。それとも、自店の繁盛を誇りたいのか、胸まで反らせて。

 先日は繁華街で急に待ち合わせた友人と、5軒立て続けに断られ、そのうち2軒が「満席をちょうだい…」だった。

 ふざけんなぃ、こんな店、絶対に入るもんかっ、と毒づきつつも、「あれだけ客が入っていたんだから」という未練も残る。

 次に前を通ったら、あらあら、すんなり入店できそうではないの。こんなときに、「ラッキーかも?」と店に吸い込まれてしまう自分が、ほとほと恨めしい。

 すると、「こちらがメニューになっております」「おしぼりになります」「はい、生ビールになります」

 出た~、今どきのマニュアル接客だと思うものの、息子のような若い店員に「見りゃあ、わかるわ」と目くじらを立てる気はない。

「お手洗いですか? あちらになります」「お待たせいたしました。こちら、お刺身の盛り合わせになります」。トドメはレジで「8200円になります」。

 何もかも「なります」で通そうとする“なります系”の店の料理がどうか、聞く方が野暮というもの。もう一方が、“ほう族”。こっちも、かれこれ10年以上も「ヘン」と言われ続けてるのに、絶えないねぇ。

「おはしのほうは、使いますか?」、「おつりのほうはこちらになります」って、“ほう”と“なります”の合わせ技まで。

 こういう決まり文句を、ファミリーレストランやコンビニエンスストアの頭文字を取って「ファミコン敬語」って言うんだって。

 ああ、言い出したら止まらないわ。「4520円からお預かり致します」…おつりなく渡したのに、何を預けた?

「30分ほどお待ちいただく形になります」…形ってどんな形か、言ってみ。

「ご注文は以上でよろしかったでしょうか。」…ううっ。なぜ過去形にする! なんでこうも“決まり文句”にイラッとするんだろう。私は「正しい日本語じゃないから」ではないとみたね。

「上から教わったこと言ってて、何が悪い」と言わんばかり。客を客とも思っていないことが、顔に書いてあるんだよ。

 バイトだろうが、パートだろうが、「いつもありがとうございます」とこちらの目を見てにっこりする人は、決まり文句を話さないし、まして「満席をちょうだい…」なんて言うもんか。

 何? 「ビールのお代わりのほうはよろしかったですか?」だって? きぃ~っ、これが飲まずにいられましょうか!

※女性セブン2016年9月15日号

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