8月30日、中央アジア、キルギスタン共和国の首都ビシケクにある中国大使館に突入しようとしたワゴン車が爆発し、1人と死亡、3人が負傷した。ラザコフ副首相は「自爆テロによる犯行」と断定しているが、実はキルギスでは14年前にも外交官1人が殺害されているほか、ここ数年でも中国人駐在員や家族を狙ったテロが頻発していることが明らかになった。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。
ネット上では「新疆ウイグル自治区のウイグル人を含む回教徒を弾圧していることが原因。今後もイスラム国(IS)の影響によって、中国人が狙われる可能性が高く、中国政府はその宗教政策によって、手痛いダメージを受けることになる」との書き込みがみられる。
キルギスでは2002年6月、ビシケクの中国大使館で1等秘書(書記官)を務めていた王建平氏が同自治区ウルムチ市出身の「新疆独立派」のウイグル人の男2人に射殺されている。
中央アジアのキルギス、ウズベキスタン、タジキスタンにまたがるフェルガナ盆地はイスラム過激派の温床として知られる。キルギスで1999年、日本人技師4人の拉致事件を起こした「ウズベキスタン・イスラム運動」(IMU)は、ISに忠誠を誓ったとされているが、ISは同自治区のウイグル人を「戦士」として受け入れるなど、中国を「敵対国」と指定しており、今後も同様の事件が起こる可能性が高い。
ロイター通信によると、2009年7月、オランダの中国大使館で、中国からの独立を目指すイスラム主義組織「東トルキスタンイスラム運動」に所属する150人余りが大使館の窓ガラスを割り抗議した。同月、ドイツ・ミュンヘンの中国総領事館でも若者2人が火炎瓶を投げる事件が起きている。
さらに、2013年9月、シリアの中国大使館に迫撃砲の砲弾が投げ込まれ、シリア人館員1人が軽傷を負った。過去数年間でも、各地の中国大使館や総領事館が襲撃に遭っている。
ネットには「大使館、領事館だけではなく、中国人留学生・旅行者が、暴行や強盗に遭っている。予想通り各国で中国人の排斥や撃退行為が増加している。中国共産党は予測できなかったのか」との書き込みもあった。