原因がわからない場合は、不整脈を疑い、心臓にカテーテルを入れ電気を流す心臓電気生理学的検査を行なう。
「この心臓電気生理学的検査が陰性で異状なしとなっても、不整脈がないわけではありません。そこで胸のあたりの皮下に小さな機械を留置する植え込み型ループ心電計検査を行ないます。不整脈は脈が遅くても頻脈でも失神の可能性があります。それで徐脈性不整脈か頻脈性不整脈か検査します。これで6割から8割の原因が特定できます」(古川講師)
従来の植え込み型心臓モニタ(心電計)は、USBメモリほどの大きさがあり、検査のために体内に入れることをためらう患者が多かった。しかし、今年9月、従来の10分の1のものが保険承認され、メスで皮膚を切ることもなく、留置が可能になっている。
徐脈性不整脈、頻脈性不整脈ともにぺースメーカー使用などの適切な治療で失神はなくなり、突然死のリスクも回避される。繰り返される失神は、放置することなく、専門医の診察で原因を特定することが大切だ。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2016年10月7日号