芸能

小学校までTVのない環境で育った斎藤工が語る北川悦吏子

ドラマ「運命に、似た恋」に出演中の斎藤工

『愛していると言ってくれ』『ロングバケーション』など、数々の名恋愛ドラマの脚本を手掛け、「ラブストーリーの神様」と呼ばれる北川悦吏子が、NHKで初めて脚本を担当したドラマ『運命に、似た恋』(NHK総合 毎週金夜10時)。同作で高校生の子供を持つバツイチの女性・カスミ(原田知世)と恋に落ちるデザイナー・ユーリを演じるのが、斎藤工(35才)だ。自身も北川の作品に影響を受けたという斎藤工が、北川脚本のドラマに挑む心境と率直な恋愛観を明かしてくれた。

 * * *
 台本の1ページ目から気迫が漂ってくるのを感じて、こういう作品には生涯に何度も出会えるわけじゃないな…と。どういう意味なのかを含め、物語のヒントが何かあるのではと思わせてくれるタイトルも非常に好きです。

 北川さんの作品は、ほとんどが時代の1つのアイコンになっていますよね。ぼくは小学校まで教育上、テレビのない環境で育ったんです。中学で公立に移ってから家にテレビがきたんですけど、慣れないのであまり夢中にはならなかった。でも、同級生は昨日のテレビの話を朝一番にするんです。

 この社会でやっていくには共有できる情報を自分の中に吸収しないと難しいな、と。そんな状況で、北川作品を見た自分の姉やクラスの女子の“いろどり”が変わるような感じを受けてしまった。ぼく自身も男性がもっている“女性的な心情”のような部分に訴えかけられたのが、ドラマ『愛していると言ってくれ』などの北川作品でした。

 ただ、今回は“北川作品だから”という不必要な圧は感じなくていいのかなと、最初から思っていました。変に大きなものを背負ってしまうと絶対にプラスに働かないから。勇凜(ユーリ)役は1色のイメージではなく、彼が誰といるかでスタイルが変容していいのでは、と思いながら演じました。北川さんのフィルターを通した、ある種の自分像に向き合うようなところもありましたね。

 役者として疑似恋愛をたくさんしていますけど、実際の恋愛は電撃的ではない気がしていて、気づくと忘れられないみたいな感じなのかなと。外見でジャッジしたり駆け引きしたりするのは、“恋愛”じゃなくて“恋愛ごっこ”なんじゃないかなと35年生きてくると思うんです(笑い)。

 ただ、ぼくはドラマのように、傷ついてもいいと思えるほどの恋愛にはなかなか巡りあえない(笑い)。深みにはまり、ややこしい展開になってしまうのではと思って、予防線をすごく手前にひいて回避してしまうんです。こんな風にごちゃごちゃ考えていることをとっぱらってくれるのが、本物の恋愛なのかな。今って、結婚にも夢が持てない社会になっていますよね、ハッキリ言うと(笑い)。でも、こんな考えを吹き飛ばすような出会いがあれば、変わると思うんですよ。恋愛も結婚も、それまで自分が想像していたものの角度が変わる瞬間に起こるのかな、と。そのアングルは出会う人によって変わると思うので、そういう自然な瞬間を、希望を捨てずに待っています(笑い)。

撮影■千川修

※女性セブン2016年10月13日号

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン