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「歯みがき粉を使うと逆効果」説に歯科医が反論

「フッ素は溶けた歯の表面を元に戻す『再石灰化』を促進します。さらに再石灰化にフッ素が加わると、歯の表面のアパタイトという成分がフルオロアパタイトという、より強固な成分に変わって強い歯になります。特に歯の成熟していない子供や、唾液の分泌量が減っている高齢者は、フッ素入りの歯みがき粉を日常的に使って歯を強化してほしいですね」

 実際、日本ではフッ素入り歯みがき粉が普及し始めた1990年代以降、虫歯を持つ子供の数が減少傾向にある。文部科学省が公開する学校保健統計調査によると、12才の永久歯の虫歯の平均本数は、1984年度は4.75本だったのに対し、2015年度は0.9本となっている。科学的にも効果が期待できるフッ素だが、使用にはこんな注意点がある。

「フッ素入り歯みがき粉の使用後は、15ccほどの少量の水で15秒間、1回だけうがいをします。何度もうがいするとフッ素が外に出てしまうので、なるべく口内にとどめることを心がけてほしい」(宇田川さん)

 一方、歯周病予防を重視して歯をみがく場合、歯みがき粉は不要だと宇田川さんが続ける。

「歯周病対策を謳う歯みがき粉もありますが、歯周病菌は種類が多く、すべてをやっつけることはできない。それよりも、歯周病予防の歯みがきで効果的なのは、歯みがき粉をつけない空みがきで物理的に歯周病菌を落とすことです。歯みがき粉をつけると長時間歯をみがけません。空みがきで口の中を長時間みがけば、歯周病菌は減らせます。テレビを見ながらでいいので、1日1回、最低15分はブラッシングしましょう」

 つまり歯周病になるリスクの高い中高年の人は、例えば朝に15分空みがきをし、夜はフッ素入り歯みがき粉を使うなど目的をかえた方がいいだろう。

※女性セブン2016年10月13日号

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