その結果、えちぜん鉄道の利用者数は増大。その人的サービスは評判を呼び、えちぜん鉄道のアテンダントによる奮闘記『ローカル線ガールズ』が出版されるほどだった。そして2015(平成27)年度には、過去最高の利用者数約346万人を記録した。
人的サービスに力を入れているのは、えちぜん鉄道ばかりではない。ほかにもある。
熊本市交通局(熊本市電)は、1997(平成9)年に9700形と呼ばれる新型車両を導入。9700形は連接車と呼ばれる2つの車体を合体させたような構造のため、一編成の路面電車でも多くの乗客を一度に乗せることができる。
そうした事情から、運転士だけで朝夕のラッシュ時の乗客対応をするとサービスが行き届かなくなる懸念もあった。不安な部分をカバーすべく、Lパーサー(LはLight Rail Vehicleの頭文字から。現・トラムガイド)を乗務させるようになる。Lパーサーは、えちぜん鉄道同様に車内アナウンスや観光案内などを担当。そして、Lパーサーのハローキティも発売されたほど、熊本市電には欠かせない存在になった。