人的サービスを充実させる動きは、ローカル線のみならず東京圏や大阪圏にも広がりを見せている。東急電鉄(東急)では路面電車の世田谷線にアテンダントを乗務させているが、その路面電車以外の路線でもサービス介助士の資格を持つ職員を配置するようになった。
「東急では2003(平成15)年より職員にサービス介助士の資格取得を奨励するようになりました。現在、全駅の駅長と助役が資格を取得しています。また、高齢者の利用者も増えているので、そうしたお客様にも安心して鉄道を利用してほしいとの思いから、当社では運転士や車掌など現場で働く職員でもサービス介助士率の100パーセントを目指し、資格取得に取り組んでいます」(東急広報部)
こうした資格がなくても、障害者の車イス移動の補助や高齢者の手を取って階段の上り下りの介助をすることはできる。それでも東急が資格取得を目指すのは、「お客様一人ひとりの要望に合ったお手伝いをするため」(同)だという。
どんなに技術が進化しても、最終的に鉄道を動かすのは人だ。そして、利用するのも人だ。だから、”人”に対するサービスを疎かにすることはできない。
今般、混雑する駅ホームなどで車イス客の乗降補助をしている駅員は当たり前のように見かけるようになった。今後、人的サービスはますます充実するだろう。そこから新しいサービスが生まれてくることにも期待したい。