国内

食べログ3.0リセット店経営者「どうしても不透明感残る」

食べログの仕組みを語るフードジャーナリストの松浦達也さん

 全国84万店の飲食店が登録されていて、月間6400万人が利用しているグルメサイト『食べログ』。パソコンから検索したり、スマホ版のアプリを愛用する人も多い。実際にお店に行ったユーザーがレビューを書いて点数を決め、ランキング形式でお店が紹介される仕組みだ。しかし、今、その食べログの評価システムへの不信感が広まっている。

 きっかけは、9月6日に『ラムチョップ&ワインバル ウルトラチョップ』のオーナー・高岳史典さんが、「全店の食べログスコアがいきなりリセットされ、そこに食べログの担当営業から『食べログのネット予約を使ってもらわないと検索の優先順位を落とします』という連絡が来た」とSNSに投稿したことだ。

「食べログの点数は操作されているのか?」「もう食べログはあてにならない」とネットは騒然。運営会社のカカクコムの株価が急落する騒動にまで発展した。

 騒動の経緯は次の通りだ。高岳さんが食べログと有料会員の契約更新の話を進めていたとき、営業する4店舗の評価が、1店舗は3.05点、残り3店舗は3.0点にまで突然下がったのだ。高岳さん本人が語る。

「不思議な現象だなと思い、理由を食べログに問い合わせました。しかし、点数のことについては回答をもらえず、不透明なままでした。契約の件と点数の関連性はわかりませんが、今回は契約更新はしませんでした」

 食べログを運営するカカクコムは本誌の取材に、「9月6日に大規模なシステムの見直しを行ったため、多くの店舗様についての点数の変動がありましたが、あくまで定期的に行っている見直しの一環であり特定のお店の点数を意図的に操作したとの事実は一切ございません」と回答した。

 そもそも、どうやってお店が食べログに登録されるのか。一般の食べログユーザーがすべて登録していると思いきや、さにあらず。お店側から掲載することもあるという。

 お店側が食べログに情報を掲載したいと思ったときは、無料の「店舗会員」になるか、お店のPRをしてくれる有料の「店舗会員向け集客サービス」のどちらかに登録することになる。

 高岳さんが登録していたのは後者だ。もちろん一般の食べログユーザーが新しく店舗情報を登録することも可能で、新規店舗を積極的に登録するレビュアーは多いという。

 食べログでは、お店が希望する、しないにかかわらず5点満点で評価される。それこそが利用者に信頼され、広く使われるようになった最大の理由。しかし、影響力の大きさから、店舗と食べログ間のトラブルも多かった。高岳さんも有料サービスに登録する前なのに、食べログに店の情報が掲載され、苦慮したという。

「誰でもお店の情報を登録できるようになっているので、ある日突然、食べログに店舗が掲載されて、勝手に写真を載せられることもあるし、下手すると間違ったメニューや価格、住所を載せられることもあります。さらに、有料会員にならないと他店のPRまで自分のお店の情報の下に掲載されるので困ったものです」(高岳さん)

 2012年には「料理が出てくるのが遅い」「おいしくない」などと投稿された札幌の飲食店が、店舗情報の登録削除を求めて訴訟を起こし、削除が認められなかったという“事件”も起こった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン