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日本唯一の天気痛・気象病外来医がその治し方を紹介

「気象病」の治し方を専門医が解説(PH:アフロ)

 天気の急激な変化で起きる体調不良を「気象病」と呼ぶのだという。特に気圧の変化を「内耳」がキャッチし、今までと違う環境になったと脳が認識することで、自律神経が乱れるのだ。

 面倒なことに、ひと口に気象病といっても、発生するタイミングは人によってさまざまという特徴がある。日本で唯一の天気痛・気象病外来を開設している佐藤純さんが解説する。

「頭痛やめまいが発症するタイミングは、人によって雨が降る3時間前だったり、半日前だったりと個人差があります。また、これぐらい気圧が変動すれば気象病が起こるといったデータもなく、あくまで個人で気象の変化と自分の体調を照らし合わせながら測るしかありません」(佐藤さん、以下「」内同)

 しかも必ずしも低気圧の時に起こるものではなく、高気圧でも不調が出ることがある。

「どんな天気の時にどのような症状が出るのかを客観視する必要があります。毎日、天気と自分の体の状態をメモしておく。気象庁のホームページでは全国の天気と気圧などのデータを確認することができます。そこで自分がどんな状態のときにつらいのかを確認しましょう」

 頭痛があるからといって、自己流で市販の頭痛薬や痛み止めに頼るのはNG。

「車酔いの薬をのむと、症状が軽くなったという人もいます。乗り物酔いの原因も内耳と脳をつなぐ前庭神経の混乱から引き起こされます。気象病と発症の仕組みが似ていることからですが、人によってバラバラなので医師に相談するといいですね。

 また漢方で症状が軽くなったという例も。自律神経の乱れはリンパ液の巡りも関係していますので、五苓散など体内の循環をよくする漢方薬を処方してもらうのもいいでしょう」

 食事では疲労回復に効果があるビタミンB1を含んだナッツ類や、体内の塩分を排出し、むくみを解消してくれるカリウムが豊富なバナナなどを食べるのもよい。

 手首の内側を指で刺激し、イタ気持ちいいと感じたところがあれば、そこがツボだ。

「酔い止めに効果的な“内関”と呼ばれるツボで、ふらつきやめまいのある人は刺激してみてください。指で押し続けると刺激に慣れてしまうため、つまようじの根元でツンツンと軽くつついてみてください。両足の人差し指の右側あたりにある“れいだ”というツボを温めるのもいいでしょう。ホットドリンク専用のペットボトルに70~80℃のお湯を入れ、ツボに数秒押しあてる温熱療法も効きます」

 内耳近くのリンパ液を促すためにも、ツボを刺激したり、ストレッチも効果的。天気に悩まされるよりも、うまくつきあって、この秋快適に過ごしたい。

※女性セブン2016年10月20日号

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