国内

デジタルタトゥーに悩む女性が急増 ライブチャットで被害も

「デジタルタトゥー」に悩む若い女性が増えている

 殺人にまで及んだストーカーが被害女性のあられもない姿をネットに公開した事件によって、ネットでの「リベンジポルノ」の危険性については多くの人が知るところとなった。いま、そこから一歩進んで、ネット上に残した痕跡が消せない「デジタルタトゥー」が大きな問題になっている。デジタルタトゥーが刻まれたことで人生を一変させられた女性について、ライターの森鷹久氏がリポートする。

 * * *
「デジタルタトゥー」

 ネット上に、たった一度でも個人情報などが拡散されてしまえば、その痕跡を完全に消し去る事が困難である事から、いわゆる「入れ墨」に例えて使われるようになった言葉である。今、この「デジタルタトゥー」に悩む若い女性が、とある所で激増している事実は、あまり知られていない。

 M子(23)は、ファッション雑誌やネット通販サイトでモデルとして活動していたが、ある日突然、一方的に事務所から解雇を告げられた。事務所側から送られて来た書面には「重大な契約違反」と記してあったが、実はM子には思い当たるフシがない訳ではなかった。

 大学三年の春、知人の紹介で東京・池袋のキャバクラでアルバイトを始めたM子。スタート時給は3500円。夜の10時から深夜2時まで、週に3~4回の勤務で、実家からの仕送りの3倍相当、約20万円以上の月給を手にしていた。ちょうどその頃、所属していたサークルの仲間からのあと押しもあり、M子は大学ミスコンにエントリーすることが決まった。

「当時は20歳でしたが、ミスコンへのエントリーが決まると、毎日飲み会が続きました。選挙と一緒で、いろんな所に顔を出さなきゃいけないんです。美容室に行く回数も増え、服だってたくさん買いました」

 飲み会が増え、キャバクラでのアルバイトも週に2日出られればいい方。支出は増えるが収入は減るという悪循環の中で、M子の頭の中はいつしか「手っ取り早く稼ぐ」事でいっぱいになっていた。しかし、切羽詰まってはいても、短絡的な稼ぎ方には当然抵抗があった。

「ミスコンに出るのに、風俗やアダルトビデオに出るなんて致命的じゃないですか」

 実際に2006年の秋、慶應義塾大学のミスコン参加者にアダルトビデオ出演疑惑が発覚。ネット上では大騒ぎとなり、渦中の女性はミスコンへの参加を辞退するまで追い込まれてしまった。とはいえ、カードも上限額を使い果たし、仕送りの家賃分にも手を付けてしまっていたM子。やむなく相談したのは、アルバイト先のキャバクラ店長だった。

「時給は増やせても千円。シフトに多く入ってもらうしか無いといわれましたが、後日”割のいいバイトがある”と連絡を貰いました」

 そのバイトとは「チャットレディ」といわれるもの。ネット回線を使い、男女がチャットを通じてやり取りをするスタイルで、男性側だけが料金を支払うシステム。以前はチャットといえば文字のみのやり取りによるものだったが、最近では女性側の”顔出し”と”ライブ配信”は当たり前で、かつ、そうでなければ男性客がつく事はあり得ない。後述するが、ここで男性側には”顔出し”の必要はなく、この構造こそが”デジタルタトゥー被害”を拡大させる、卑劣過ぎる動機を産み出す要因ともなっている。

「ただ話をするだけで時給二千円、自宅でも出来るといわれて魅力的な仕事だと思いました。顔を出すのには抵抗がありましたが、一対一だから安心。そう説明されてやってみたんです」

関連記事

トピックス

雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
国仲涼子が『ちゅらさん』出演当時の思い出を振り返る
国仲涼子が語る“田中好子さんの思い出”と“相撲への愛” 『ちゅらさん』母娘の絆から始まった相撲部屋通い「体があたる時の音がたまらない」
週刊ポスト
「運転免許証偽造」を謳う中国系業者たちの実態とは
《料金は1枚1万円で即発送可能》中国人観光客向け「運転免許証偽造」を謳う中国系業者に接触、本物との違いが判別できない精巧な仕上がり レンタカー業者も「見破るのは困難」
週刊ポスト
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン