ビジネス

「ギガ大家」の投資家「安く買えさえすれば9割5分勝ち」

不動産投資で儲ける秘訣は

 全国各地で行なわれる不動産投資セミナーが、空前の活況を呈している。不動産投資情報サイト「健美家」に掲載されるセミナー情報は、実に6年で10倍以上に増加しているという。

 その牽引役となっているのが、退職金の運用を考えるシニア世代である。「健美家」の会員登録は、今年に入ってから50代以上の新規登録が急増中だという。

 不動産投資の裾野が広がる中で、近年、その中から資産10億円を超える『メガ大家』と呼ばれる人たちも現われている。彼らの多くは小さな元手からスタートして、経験を積み重ねていくことで『メガ大家』になったという。

 50棟1000室弱のオーナーになった大阪在住の木下たかゆき氏(33)は、自分はメガ大家を超えた「ギガ大家」だと豪語する。

「僕はサラリーマンに向いてなくて、人の言うことを聞いたり、人に年収を決められるのが嫌で、サラリーマンの生涯年収を超えるにはこれしかないなと思って始めました。最初は築30年以上の古いマンションの区分所有を360万円で買ったのから始めました。それから戸建てを2つ、アパート1棟と買い増し、不動産投資を本格的にやろうと決意し、当時勤めていた会社を辞めました。

 不動産投資は、仕組みが単純なので99%は外注できるし、良い物件さえ買えれば大損することはほとんどない。しかも、原資を銀行から調達できるのが、他の投資と違う点です。僕はとにかく安く買って、必要最小限の修善をして賃貸に出し、最終的には高く売る。安く買えさえすれば、9割5分勝ちですね」

 彼らの話を聞いていると、メガ大家になるには自分なりのやり方を見つけるしかないということなのか。賃貸不動産オーナー向け情報誌の『家主と地主』編集長の永井ゆかり氏が、成功の条件をこう指摘する。

「メガ大家に共通するのは、良くも悪くも不動産投資の怖さを知っているということ。収益性の低い物件を買って早めに損切りしてしまったとか、管理会社との連絡がうまく取れなくて入居者が集まらなかったとか、そうした小さな失敗を積み重ねていくことで、『こういう物件じゃないと失敗する』というリサーチがしっかりできてくると、うまくいく。そこを妥協しない人が成功しているように思います。

 今は不動産が値上がりしている時代なので、誰もが買いたい高収益物件はなかなか買えません。そうすると、買えない焦りから“買うことが目的”に変わってしまって、あまりいい物件でなくても“まあいいか”という気持ちで買ってしまう。そういう流されやすい人は失敗しやすいので注意が必要です」

※週刊ポスト2016年11月4日号

関連キーワード

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン