芸能

「逃げ恥」「IQ246」好調の陰にTBS一丸のコラボ戦略

今秋の話題作となっている『逃げるは恥だが役に立つ』(公式HPより)

 今秋は、「ドラマのTBS」が復活しつつある。好調なドラマが多く、その背景にはTBS一丸となった戦略があるという。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)の勢いが止まりません。視聴率は1話10.2%、2話12.1%、3話12.5%と右肩上がりで、今秋から導入されたタイムシフト(録画)視聴率も1話が10.6%の2ケタ超え。さらに“恋ダンス”の動画が再生1000万回を突破するなど、話題を集めています。

 次に、『IQ246~華麗なる事件簿~』(TBS系)も、新作ドラマでは今期No.1となる1話13.1%を記録するなど、こちらも好調。『砂の塔~知りすぎた隣人』(TBS系)も、金曜ロードショー(日本テレビ系)が3週連続『ルパン三世シリーズ』を放送する逆境の中、9%台の視聴率で踏みとどまるなど、TBSドラマの好調さが光っています。

 その好調さを支えているのは、現場の一体感。3つのドラマを見ていて感じるのは、作品全体が見やすいワントーンで統一され、キャラクターが生き生きとしていること。バシッと決めた1つのテーマに向かって、スタッフとキャストが力を合わせている様子が随所にうかがえます。

 現場の一体感は、番組制作と向き合うTBS全体のスタンスに他なりません。その証拠に、『逃げるは恥だが役に立つ』に『news23』『情熱大陸』、『IQ246』に『ひるおび!』、『砂の塔』に『あさチャン』『ひるおび!』『Nスタ』が、ドラマの中に登場しました。

 これは、各番組がわざわざ撮影時間を確保して、出演者をそのままドラマに登場させる“ドラマin情報番組”とでも言うべき手法。これまでも似たケースはありましたが、今期ほどの協力体制は異例であり、「局一丸で新ドラマを盛り上げよう」というスタンスがうかがえます。

 また、「情報番組の出演者をドラマのレギュラーにキャスティングする」のも、「局一丸で新ドラマを盛り上げよう」という気持ちの表れ。今期は『IQ246』に『王様のブランチ』のMC・新川優愛さんを起用してスムーズな番宣につなげていますし、夏ドラマでも『せいせいするほど、愛してる』に『王様のブランチ』レギュラーの横沢夏子さんが起用されていました。さらに、1年前の『下町ロケット』では、『白熱ライブ ビビット』のMC・真矢ミキさんと『ひるおび!』のMC・恵俊彰さんを出演させて、両番組で何度となくPRをしていました。

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン