国内

小池塾 反対するなら刺客立てるとの都議会への牽制

都政改革の実現に期待したい Rodrigo Reyes Marin/AFLO

「小池劇場」が続いている。テレビ各局は新しい“視聴率のタネ”が出てきたと大喜びし、小池百合子都知事の一挙手一投足を追いかけている。

 10月下旬の衆院東京10区補選で小池氏の都知事選を支えた若狭勝氏が勝利すると、テレビでは「小池都知事がよく食べている“全部のせラーメン”」「小池都知事と33年の付き合いになる銀座の美容室」などを特集した。そんなお祭り騒ぎ報道の洪水の中で、見失ってはならないのは「都知事」の役割と権限だ。

 現在の小池人気を支えているのは、既得権益や旧態依然の利権政治家と戦う姿であることは間違いない。だからメディアも寄ってたかって彼女を「悪者を討つヒロイン」に仕立て上げようとしている。

 それを誰よりも分かっているからこそ、小池氏は都知事選挙という〈第1ラウンド〉で「自民党」を敵と位置づけて増田寛也元総務相との戦いを勝ち抜き、〈第2ラウンド〉ではオリンピック会場問題や豊洲新市場問題で「都の役人」らを槍玉にあげてきた。小池側近が語る。

「知事は、オリンピック会場問題でも豊洲新市場でも落とし所を探っている。五輪ボート会場では埼玉の彩湖を候補から除外して、“本命”の東京湾岸の『海の森』と宮城の長沼ボート場を比べてどちらかから選定することになった。豊洲も汚染対策を進めて移転にGOサインを出す方向で調整している。

 これらは国民からすると『軌道修正したのか』『妥協したのか』と捉えられてしまう可能性があるから、どのように発表するかも含め、細心の注意を払っている」

 小池氏の視線は、〈第3ラウンド〉に移っている。その鍵になるのは、「自民党都議との戦い」だ。小池氏に近い23区のある区議が語る。

「知事にすれば、東京10区の補選までは自民党との共闘が必要でしたが、もう自民党に対して遠慮はいらなくなった。いま、小池さんは完全にフリーハンドです。

 来年7月の都議選が勝負になる。都議選には、定数3以上の選挙区が18、定数2の選挙区が16ある。それにドン・内田茂都議の千代田区(定数1)などを含めて、小池地域新党で30人以上の擁立を目指すことになるでしょう。中央の安倍政権とは一定の距離感で付き合う一方、自民党都議団とは競合関係になっていく」

 テレビでは、「4000人も入塾希望者が集まった小池塾から候補者を選んで新党を作り、現在の自民党都議を一掃する」というように面白おかしく報じられているが、そう捉えるのは早計だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト