ビジネス

電通だけじゃない 100時間超の残業は有名企業でも常態化か

ブラック企業被害の電話相談は鳴りやまず(11月4日)

 女性新入社員が月に105時間に及ぶ長時間労働の末に過労自殺した事件で、労働基準法違反容疑に問われていた広告会社の電通。11月7日、ついに厚生労働省は同社を一斉に家宅捜索し、書類送検する方針を固めた。

 連合総研が10月下旬に発表した調査では、いまや会社員の4人に1人が「自分の勤め先が『ブラック企業』にあたると思う」と答える時代。その最たるケースが違法な長時間労働や残業代の未払いである。

 長時間労働は電通に限らず、名だたる大手企業でも平然と行われてきた悪習だ。

 厚生労働相の告示で定められている残業時間の上限は「1か月45時間」だが、使用者(会社)と労働者の代表(労働組合)が協定を結びさえすれば、実質無制限で働かせることができる。

 いわば法の抜け道を使うことで、“過労死ライン”とされる月80時間以上の協定を結んでいた大手企業の存在も明らかになっている。

 2014年に『しんぶん赤旗』が日本経団連や経済同友会加盟の企業40社に調査した結果では、NTT150時間、東レ100時間など次々と有名企業の名前が挙がった。こうした実態をみると、日本人の働き過ぎがいかに度を越しているかが分かるだろう。

 電通事件の発覚を受け、ブラック企業問題に取り組む弁護士グループも対策強化に乗り出している。

 11月4日午後9時から、東京・大阪の法律事務所で弁護士たちが〈命を、守る。真夜中の労働ホットライン〉と題した緊急の電話相談窓口を開いたところ、深夜2時までに相談電話がひっきりなしにかかってきた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

イベント出演辞退を連発している米倉涼子。
《長引く捜査》「ネットドラマでさえ扱いに困る」“マトリガサ入れ報道”米倉涼子はこの先どうなる? 元東京地検公安部長が指摘する「宙ぶらりんがずっと続く可能性」
マンションの周囲や敷地内にスマホを見ながら立っている女性が増えた(写真提供/イメージマート)
《高級タワマンがパパ活の現場に》元住民が嘆きの告発 周辺や敷地内に露出多めの女性が増え、スマホを片手に…居住者用ラウンジでデート、共用スペースでどんちゃん騒ぎも
NEWSポストセブン
アドヴァ・ラヴィ容疑者(Instagramより)
「性的被害を告発するとの脅しも…」アメリカ美女モデル(27)がマッチングアプリで高齢男性に“ロマンス”装い窃盗、高級住宅街で10件超の被害【LA保安局が異例の投稿】
NEWSポストセブン
デビュー25周年を迎えた後藤真希
デビュー25周年の後藤真希 「なんだか“作ったもの”に感じてしまった」とモー娘。時代の葛藤明かす きゃんちゅー、AKBとのコラボで感じた“意識の変化”も
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト・目撃者提供)
《ラブホ通い詰め問題でも続投》キリッとした目元と蠱惑的な口元…卒アル写真で見えた小川晶市長の“平成の女子高生”時代、同級生が明かす「市長のルーツ」も
NEWSポストセブン
亡くなった辻上里菜さん(写真/里菜さんの母親提供)
《22歳シングルマザー「ゴルフクラブ殴打殺人事件」に新証言》裁判で認められた被告の「女性と別の男の2人の脅されていた」の主張に、当事者である“別の男”が反論 「彼女が殺されたことも知らなかった」と手紙に綴る
NEWSポストセブン
ものづくりの現場がやっぱり好きだと菊川怜は言う
《15年ぶりに映画出演》菊川怜インタビュー 三児の子育てを中心とした生活の中、肉体的にハードでも「これまでのイメージを覆すような役にも挑戦していきたい」と意気込み
週刊ポスト
韓国の人気女性ライバー(24)が50代男性のファンから殺害される事件が起きた(Instagramより)
「車に強引に引きずり込んで…」「遺体には多数のアザと首を絞められた痕」韓国・人気女性ライバー(24)殺害、50代男性“VIPファン”による配信30分後の凶行
NEWSポストセブン
田久保市長の”卒業勘違い発言”を覆した「記録」についての証言が得られた(右:本人SNSより)
【新証言】学歴詐称疑惑の田久保市長、大学取得単位は「卒業要件の半分以下」だった 百条委関係者も「“勘違い”できるような数字ではない」と複数証言
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《真美子さんと娘が待つスイートルームに直行》大谷翔平が試合後に見せた満面の笑み、アップ中も「スタンドに笑顔で手を振って…」本拠地で見られる“家族の絆”
NEWSポストセブン
バラエティ番組「ぽかぽか」に出演した益若つばさ(写真は2013年)
「こんな顔だった?」益若つばさ(40)が“人生最大のイメチェン”でネット騒然…元夫・梅しゃんが明かしていた息子との絶妙な距離感
NEWSポストセブン
ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン