年代によって様々な魅力を持つのが女性──。現在52才の女優・真矢ミキが、歳を重ねた女性の魅力について語る。
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女性の人生には、その時々の魅力があると思います。瑞々しい果実のような、10代。身の締まった、歯ごたえのあるお刺身みたいな、20代。女盛りの、30代。熟成された芳香が漂いはじめる、40代。
50代は…うーん、なんでしょうね。自分の世代のことは難しい。ともあれ、同世代も年下のかたたちにも、それぞれの輝きがあるのです。
中でもひときわキラキラ輝いているのが、私よりも年上の世代! 最近は書店でも、そんな輝く年上世代のかたがたの著書が平積みされていて嬉しい限り。女性としての先輩方が人生観や家族観をお書きになった本が誇らしげに並んでいるのを見ると、道しるべがたくさん立っている気がして心強いですね。
そんなことを思いながら、セレクトショップへ足を運んだときのこと。私はあるかたに目が釘付けになりました。
最初に目に飛び込んできたのは、お行儀よくフセをした大きな犬。その陰に隠れるように、すごく小柄で華奢な女性。ここで私の頭の中は1つ目のクエスチョンが…。
『そんなに小柄で、しかも私よりもかなり年上だと思いますが、この大きな犬を連れていらっしゃったんですよね?』
そして2つ目のクエスチョン。
『そのヘアスタイル、維持するのは大変じゃないですか?』
だってそのかたは金髪のショートカットだったんですよ! これ、すごく手がかかるんです。5ミリでも髪が伸びたらスタイルも色もカッコ悪いことになっちゃうから。3つ目は、
『そのアクセサリー、重くないですか?』
細い体には、首にも手首にもたくさんのアクセサリー。シルバー(たぶんプラチナもかなりの数含まれていると拝察いたしました)系で統一されていて、トゥーマッチがものすごくオシャレ。
極めつきのクエスチョンは、
『なのにポロシャツ? そして選んでいるのはドレス?』
もう、私の頭の中は『?』だらけです。気がついたら私、そのかたにお声をかけてしまっていました。
「ごめんなさい、いきなりこんなことをお尋ねして。なにをなさっているかたなんですか?」
すると彼女は華奢な首をかしげて、
「わたくし? わたくしはここの者よ」
と言って、胸についているマークを指差されました。誰もが知っている、あのマーク。きっと彼女はそこでさまざまな経験をされたはずです。つらいこともあったでしょう。それが全部、心の整理だんすに収められている…。マークをチョンと指差したその手つきから、彼女の人生が垣間見えた気がしました。
撮影■渡辺達生
※女性セブン2016年11月17日号