もちろんトランプ氏の政権をこのような政府と同一視することはできないが、ハンガリーの政権が誕生した背景のひとつに、ハンガリーが外資を積極的に受け入れて世界金融危機が直撃して経済が後退したことが挙げられてる。
また移民受け入れに否定的で、個人の性に関する自己決定権への介入など、トランプ氏と似ているところもある。グローバリズムが世界を覆ったいま、世界で同時多発する反発もただの偶然ではないだろう。
さはさりとて、トランプ氏ができることは、言ってみれば所詮、憲法の枠内である。日本は憲法改正という「国民投票の一発勝負」で、その枠そのものを変えようとしている。改正内容によっては、戦後の日本人が経験したことがない衝撃波が列島を襲う。それも長く。
国民投票の経験が無い日本人は、自分たちの意見が直接、国政の選択になることに憧れのようなものがある。直接民主主義という響きも良いし、これまでの全てをテーブルごとひっくり返すのもカタルシスの発散になりそうだ。一時の快感がどのような事態を引き起こすのか、これからのアメリカを注目していきたい。