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2016.12.02 11:00  女性セブン

同日同時刻に亡くなった90代老夫婦の深い愛とその人生

「お子さんには恵まれなかったそうです。でも気にした様子はありませんでした。“子供がいなかったから、これまで気楽な生活ができたのよ”って笑っていました。夫婦ふたりきりの生活でしたが、愚痴を言うところは一度も見たことがありません。“掃除や洗濯を手伝ってくれて嬉しいわ”って、いつも旦那さんには感謝していました。そうそう、“美隆さんは字がとってもきれいなんです”と自慢していたっけ」

 てるさんは店に来ると、必ず壁側の4人席に座った。注文はホットコーヒーとトースト。大の甘党で、スプーン6~7杯の砂糖を入れ、トーストにもはちみつとシナモンをかけて食べていた。

「旦那さんは来たことがないんです。なんでも日本茶派だそうで。あくまでウチは、てるさんだけの憩いの場でした。四六時中一緒じゃなく、分けるところは分ける。それも夫婦仲の秘訣だったのかもしれませんね」(中島さん)

 夫婦で行きつけだった銭湯の店主もこう語る。

「よくいらっしゃってましたけど、ふたり一緒に来たことはないです。いつも別々で。ご主人は2~3年前まで毎日のように来てくれました。黄緑色の風呂桶にタオルと石けんを入れてね。番台のアメは1人1個ってルールなんだけど、ガバッと沢山持って行っちゃうような、マイペースで面白いかたでした」

 てるさんは長く水泳のインストラクターをしていたこともあり、市営プールにもよく顔を出していた。妻の影響か、ある時から美隆さんも水泳を始めている。

「でも、旦那さんはてるさんとは違うプールに行っていました(笑い)。照れもあったのかな」(夫婦を知る近隣住人)

◆夫の健康が何よりの幸せ

 てるさんは1967年に洗礼を受けて以来、敬虔なクリスチャンでもあった。

「毎週日曜日には近くの教会の礼拝に参加していました。自分で歩いてこられてね。信徒さんの話では、たまに食事の宅配をお願いすることもあったそうですが、基本的には毎日自分で料理されていたといいます。教会でのイベントで、座りながらできる体操を教えてくださったり、穏やかで親切なかたでした」(同じ教会に礼拝していた信徒)

 人を愛し、慈しみ、労り合うキリスト教的精神は、夫婦生活でもとみに発露されていたという。

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