ライフ

市販のスイッチOTC薬 処方受ける場合との価格差が大きい

市販のスイッチOTC薬の注意点は

 薬が安く手に入るのは患者にとって手放しで良いことのように思えるが、注意しなくてはならない点もある。普段からドラッグストアなどで買える市販薬に関する問題だ。

「スイッチOTC薬」である。

 これは、従来は医師の処方箋がなければ購入できなかったが、現在は薬局で手軽に買えるようになった市販薬のこと。医療現場で使用実績のある薬のうち、比較的副作用が少なく、安全性の高い成分を配合する。気になるのは医師の処方を受ける場合と値段の違いが大きいことだ。

●ナロンメディカル(風邪薬)
 市販1錠(100mg)42.5円(メーカー希望小売価格、税抜き、以下同)/処方1錠5.8円
●ガスター10(胃腸薬)
 市販1錠(10mg)163円/処方1錠24.60円
●ロキソニン(鎮痛剤)
 市販1錠(60mg)54円/処方1錠15.90円

 同じ成分の薬でも、ドラッグストアで買った方が圧倒的に高いのである。薬によってはその価格差は10倍近くにも及ぶ。

 病院に行かなくても買えるスイッチOTC薬は手軽な存在だが、その普及によって保険財政を圧迫しないかたちでの薬の購入、つまり国民の自己負担が増えるかたちへと誘導されている構造が透けて見えるのだ。加えて、医療ジャーナリストの油井香代子氏はこうもアドバイスする。

「医療用と市販薬では同じ成分でも含有量が違うことがあります。症状が出た際、医師にかかる手間より、薬局で薬を買うほうが楽だと自己判断でスイッチOTC薬を利用すると、薬の選択が適切でなかったりして、かえって症状が悪化したり、多量の薬を飲んで余計に高くつくこともあるのです」

※週刊ポスト2016年12月9日号

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
リモートワークや打合せに使われることもあるカラオケボックス(写真提供/イメージマート)
《警視庁記者クラブの記者がカラオケボックスで乱痴気騒ぎ》個室内で「行為」に及ぶ人たちの実態 従業員の嘆き「珍しくない話」「注意に行くことになってるけど、仕事とはいえ嫌。逆ギレされることもある」 
NEWSポストセブン
「最長片道切符の旅」を達成した伊藤桃さん
「西国分寺から立川…2駅の移動に7時間半」11000kmを“一筆書き”した鉄旅タレント・伊藤桃が語る「過酷すぎるルート」と「撮り鉄」への本音
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱親方と白鵬氏
旧宮城野部屋力士の一斉改名で角界に波紋 白鵬氏の「鵬」が弟子たちの四股名から消え、「部屋再興がなくなった」「再興できても炎鵬がゼロからのスタートか」の声
NEWSポストセブン
環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)
《不敵な笑みでテロ組織のデモに参加》“環境少女グレタ・トゥンベリさん”の過激化が止まらずイギリスで逮捕「イスラエルに拿捕され、ギリシャに強制送還されたことも」
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン