宮崎夫妻は昨年5月に結婚を発表してから12月の挙式まで、実に6回の結婚パーティーを行なったという。稲田氏が祝儀を出した8月4日は、都内のホテルで議員向けの結婚報告会が開かれた日だった。出席した議員のブログを見ると、金屏風の前で礼服姿の宮崎氏とウエディングドレスの金子氏の姿があり、傍目には結婚披露宴と変わりがない。

 このときの会費を政治資金として処理したのは稲田氏のほかにも何人かいるが、稲田氏だけが「結婚祝儀」と記載し、他の出席者は「会合費」としか書いていない。出席した議員の秘書が説明する。

「2人の同期議員たちが主催した議員の集まりで、領収書も出るというのでもらっただけです」

 稲田事務所も、「政治活動に関する催しものであると思いましたので、政治活動として会費を支出しております」と説明する。

 ところが金子議員の事務所に確認すると、「プライベートのパーティーで、事務所は関わっていません」とのこと。出席者の中でも高市早苗・総務相は「同僚の結婚式なので自分で包んだ」(高市事務所)と言う。いったいどちらが正しいのか。

 政治資金制度に詳しい上脇博之・神戸学院大学法学部教授が指摘する。

「稲田さんは収支報告書に『結婚祝儀』と書いているのだから、プライベートなものだと自分で認めているようなもの。常識的に考えて結婚祝儀は政治活動に関わるおカネではない。仮に会合費だとしても同僚の議員が集まって結婚を祝うだけの会が政治活動と呼べるのでしょうか」

 政治活動とプライベートの境界の曖昧さはしばしば問題視されるが、カネの面でも線引きは難しいようだ。

※週刊ポスト2016年12月16日号

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