ビジネス

高田明氏「伝えたいパッションが伴わないと心には響かない」

「パッション」を持って伝えることが信条(高田明氏)

「テレビではすごくテンションが高かったんですけれども、もうやめていますから、みなさん、あのテンションはあまり期待なさらないでください」

 講演の冒頭、温かみのある笑顔で語りかけ、ドッと聴衆の笑いを誘うのは、「ジャパネットたかた」創業者・高田明氏(68)だ。独得の甲高い声とハイテンションで繰り広げられるパワフルなセールストークで通販業界を席巻、地方の企業を全国区に押し上げた名物社長も、2015年1月に退任した。

 社長退任後も長崎・佐世保の本社から放送するテレビショッピングには出演をしていたが、今年1月に同社が創業30周年の節目を迎えるにあたり、22年間出続けた番組からも引退している。現在は会長にも顧問にも就かず、新しく立ち上げた会社を足場にして、講演など高田明個人としての活動をメインに全国を飛び回っている。

 講演は、月に平均10本ほどこなす。11月下旬は全国社会福祉協議会主催の席で、「夢持ち続け日々精進」をテーマに講演を行なった。原稿を作らず、現場で自分の中からわきあがる言葉を紡ぐのが高田氏のスタイル。その姿勢は番組出演時から、一貫している。

「純粋に“伝えたい”というパッションが伴わないと、聴く人の心には響かない。原稿を読むようでは、伝わらないんです。情熱を持って語ればテンションも昂ぶって声も大きくなるし、だじゃれも饒舌に飛び出す。

 綾小路きみまろさんのライブのようにドカンドカンと笑いや拍手が起こることもよくあるんですよ。でも僕ははしょって話すのが苦手で、伝えたいことを丸々語るには2時間ほしい。今日は60分だったので時間を意識してしまって、組み立てがあまりうまくいかなかった。自分の中では、不完全燃焼です」

 講演が始まって20分ほどで声を張り、例のハイテンションで語り始めた高田氏。その熱意に引き込まれて、会場の聴衆も問いかけに深く頷いていたのだが、あくまで自己評価は厳しい。

「伝えるために呼ばれているわけですから、自分の使命を感じて、自ずとテンションが高くなるのでしょうね。でも今日は70点。もう少し、自分自身が伝えかたを勉強したほうがいいと感じました。課題が残ったという意味ではありがたい経験だと思います」

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン