芸能

DJ OZMAら…小田嶋隆氏が語る紅白歌合戦事件簿の解釈

年の瀬のお茶の間を凍りつかせた本木雅弘

 年末の風物詩の代表格といえばNHK紅白歌合戦だろう。生放送であるだけに67年の歴史を振り返ると様々な事件も起きている。

 例えば、1992年(第43回)の“モックン・コンドーム事件”は年の瀬のお茶の間を凍り付かせた。

 ソロでは初出場となる本木雅弘は白い液体の入ったコンドームを首からぶらさげて登場。井上陽水の名曲『東へ西へ』を熱唱しながらズボンをずり下げ、最後は半ケツ姿になり、コンドームを割って頭から白濁液を浴びる“ぶっかけ”まで披露した。

「当時、モックンはジャニーズ事務所を脱退直後。“脱アイドル”を意識してか、ヘアヌード写真集を出版するなど、イメチェンを図っていた。モックンとしては『エイズ撲滅のメッセージ』という大義名分がありましたが、視聴者はドン引き。NHKには100件以上の抗議が寄せられた」(NHK関係者)

 近年の紅白ハプニングで最も反響が大きかったのは、2006年(第57回)のDJ OZMAによる「全裸スーツ騒動」だろう。

『アゲアゲEVERY騎士』を歌うDJ OZMAは股間にキノコの模型を付けたパンツ一枚の姿で登場した。同曲は最後に裸になるのがお約束なのだが、その“ストリップ”を紅白という大舞台でも披露。女性バックダンサーたちが遠目には全裸にしか見えないボディースーツで踊りまくった。

 あまりにも精巧なスーツに歌唱中から視聴者からの苦情が殺到。その数は1800件を超えた。番組内では総合司会の三宅民夫アナが、「裸ではありません」と説明するほどだった。

「裸騒動」の反響はすさまじく、当時の橋本元一会長が会見で「視聴者の皆様に不快な思いをさせた」と謝罪する事態に発展。その後DJ OZMAが紅白に呼ばれることはなく、2008年に“引退”した。紅白における「事件」についてコラムニストの小田嶋隆氏が話す。

「近年の紅白は、進行台本もキッチリと決まっていて、どこか堅苦しい。そんななか、生放送だからこそおこる予定外のアクシデントは、他の出場者のリアクションも含め新鮮で面白い」

 今年の紅白は大晦日に解散を迎えるSMAPのサプライズ出演はあるのか、それともまた別の“事件”が起こるのか──。

※週刊ポスト2017年1月1・6日号

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