ライフ

世界大富豪4人による怪しげなセミナーへの勧誘とその顛末

ネットニュース編集者の中川淳一郎氏

 学生時代はつながりがあったものの、社会人になってからは疎遠になり、というのが以前の人間関係の持ち方。最近では、SNSなどの機能を利用して、かつての友人知人と簡単に連絡を取れるようになった。学生時代の友人は、しがらみや損得勘定なしにつきあえるから楽しいとネットを活用していたら、思わず落とし穴が待ち受けていた。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、ネット時代の友情とカネの顛末について語る。

 * * *
 地元の仲間や学生時代の友人との交流が、メーリングリスト(ML)やSNSのグループ機能により格段に容易な時代となった。ただし、カネ儲けに使おうと考える輩が登場すると厄介なことになる。

 昨今、欲の皮の突っ張った連中をひっかけるビジネスが花盛りである。元々「ネオヒルズ族」みたいな男が登場し、そのノウハウを伝授するセミナーに行ったら高価なDVDを売りつけられた──的な話は各所で存在していたが、「こんなことにひっかかるバカは賢明なる我が知り合いにはいるワケもない(笑)」なんて鼻くそほじくっていたら、なんといた……。

 大学時代のサークルの先輩・X氏である(会ったことはない)。昨年9月にこのMLが活用された。そこにはこうある。

〈平凡な〇〇人もの人を億万長者に育てた、大富豪・●●氏の日本初セミナーです〉

 本来1万円のセミナーがX氏による招待ということで無料になるのだという。そして12月末、再びX氏からMLに投稿があった。今回は、世界の大富豪4人が来日し、セミナーを行なうという。5000円のチケットがX氏の名前を出せば無料になる。最も高い100万円のチケットは完売済だ。しかも、X氏はFacebookのグループにも同じ投稿をし、参加申し込みページへの誘導を行なっている。

 2回目はさすがに「仲間のためのMLを営業メールに使うのはやめたほうがいいのではないでしょうか?」と全員が見られる形で私は返事を書いた。何せ諸先輩方が「大人の配慮」をし、X氏のこの行為に一切注意を与えない。だとすれば、若輩者ながらも不快指数が高まりまくった私が指摘をするしかない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
このほど発表された新型ロマンスカーは前面展望を採用した車両デザイン
小田急が発表した新型は「白いロマンスカー」後継だというけれど…展望車復活は確定だが台車と「走る喫茶室」はどうなる?
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
北海道に生息するヒグマ(写真/Getty Images)
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン