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2017.01.08 16:00  NEWSポストセブン

石田衣良氏 「東西の壁が復活、世界は新たな冷戦の時代に」

 という世界の話題から比較すると、日本のニュースはネタが小さいですよね。東京都と芸能と過労死なんですから。都知事選とか五輪とか、ローカルなうちうちの話題です。芸能も不倫と覚醒剤でしょ。唯一過労死問題がいまの日本人の働き方を揺るがせた。

 ただ日本を裏で動かす巨大な悪の組織電通で起きた問題というセンセーショナルな見方をされますが、電通っていっても出入りの業者ですから。動いているお金も現場ではたいしたことがないですから。大きくてもハリウッドの中規模映画程度の予算ですから、それで世界が動くかよという。

 日本と世界の問題では、すごく大きな壁があると思います。日本はいま借金でこの楽しい世界を作っているんですね。財政出動しなかったら今ごろスペインと同じですよ。大人も大失業時代を迎えていてもおかしくない。それが嫌なんで、大借金して、気がついたら1000兆円の大借金を背負ってこの楽しい暮らしを維持している。そこが完全に世界とずれたんですね。

 でもなにもそこを考えなければ、豊かだし、失業率も3%とか4%なんで、こんな豊かな国はないなあと見えてしまう。大きな嘘の上にひとつの楽しい、そこそこ豊かな暮らしが作れているいまの状態が、さあ、いつまで持つのか。いまは財政の大判振る舞い、マイナス金利と最後の賭けをやっていますけれどね。それはどこかで強烈なしっぺ返しがありますから、これは恐ろしい。

 去年はあらゆる面でなにかの萌芽の年でした。反グローバリズムが来る。VRとAIがくる。大きなことが起こり始めています。日本はその変化の中で異常なくらい平和でなにも起こらなかった。最大の政治的ヒーローが小池都知事で、五輪であれだけ騒いでも結局なにも起きなかった。

 僕らは忙しい毎日を送っていますが、時代の矢印が大きくどちらに動いているのか、見ておくのが生き残るために必要です。10年20年先にどうなるのか、きちんと見ておきましょう。

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