長期的な「隆起・沈降」を見ると、特に伊豆諸島に異常な動きが集中している。本州側から順に大島、式根島、三宅島、八丈島と近い島同士で交互に隆起と沈降になっているため、それぞれの境目ごとに歪みが溜まっていると村井氏は分析する。
「水平方向の動きでは、伊豆半島南部、三浦半島、房総半島南端で周辺と異なる動きがあります。特に房総半島南端の野島崎は江戸時代に起きた元禄地震の震源とされている場所で注視しています。
関東大震災は神奈川、元禄地震は千葉県が震源ですが、いずれも東京の被害が最も甚大でした。直下型でなくても、地盤の緩い首都圏が一番揺れるため、警戒が必要です」(村井氏)
このように、この地域は3つの指標全てで大きな異常が出ている。村井氏が顧問を務める民間会社JESEA(地震科学探査機構)は毎週発行のメールマガジン(詳細はhttp://www.jesea.co.jp)でも、首都圏を含む南関東を全国で唯一、最高警戒レベル5の〈地震の可能性が極めて高い〉地域に指定し、警告を発している。
※週刊ポスト2017年1月13・20日号