国際情報

移民批判でトランプ自身の命が危ないと落合信彦氏

トランプ・タワー周辺は厳重な警備も・・・ Abaca/AFLO

 ドナルド・トランプ大統領誕生で、どんな世界が待っているのか。作家の落合信彦氏が、2017年にトランプ氏を待ち構える苦難と危険について解説する。

 * * *
 新しい年は、この世界が破綻に向かう幕開けの年となるだろう。

 昨年秋に上梓した『そして、アメリカは消える』では、ドナルド・トランプとヒラリー・クリントンの戦いを「絶望の大統領選」と指摘した。そしてこの1月20日にトランプが大統領に正式に就任し、「絶望の世紀」が始まることになる。我々が生きているこの世界は、「暗殺」と「テロ」がはびこってますますジャングル化し、荒れ果てていくのだ。

 何よりもまず、トランプ自身の命が危ない。

 一番の要因は「移民批判」だ。トランプは「メキシコの費用負担でメキシコ国境に壁を作る」と繰り返し主張し、「犯罪歴のある300万人の不法移民を国外退去させる」考えを示している。

 トランプの政権移行チームは、「壁」は議会承認を待たずに建設に着手する可能性があると表明した。加えて、オバマが認めた不法移民の「送還一時免除」や「就労許可」についての大統領令を無効にすることも模索しているという。

 移民はすでにアメリカの隅々にまで入り込み、根を張っている。彼らにとってトランプは、生活の根幹を脅かす「敵」でしかない。

 アメリカ国内にいる不法移民の中には、荒っぽい輩も少なくない。麻薬で有名なコロンビア・マフィアも多数入り込んでいる。彼らは暗殺ターゲットの脚をナイフで切りつけて襲い、胸部を刺した後に、局部を切断した上で喉を切り開いてそれを押し込むという残虐な殺害手法を使う。俺たちに背いたらこうなるぞ、と自らの凶悪性を見せつけるのだ。そんな「何でもやる」マフィアたちから、トランプは身を守れるだろうか。

※SAPIO2017年2月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

火災発生後、室内から見たリアルな状況(FBより)
《やっと授かった乳児も犠牲に…》「“家”という名の煉獄に閉じ込められた」九死に一生を得た住民が回想する、絶望の光景【香港マンション火災】
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン