職人肌の気難しい友人が以前言った“人は2時間会えばほとんどの話はできている”。このクールな言葉は当時耳を疑った。うーん2時間、あっという間で落ち着かないな、と一見思うが、意識して人と会ってみると、話したかった内容はほとんど2時間内で済まされていて、あとはその場の雰囲気を楽しむ余談になっているから不思議。
「最近○○さんに会ってる?」なんて会話が始まったら、大体ここからは雑談なのだ。だから、もうちょっとお話ししたかったなと思うくらいの別れのほうが帰り道に程よく余韻があって、早くも会いたくなる。“また君に~会いたくて~”ってあったなぁ…(好きです、冬美さま)。
時間は買えない。特に大人になると。うん、最近強くそんなことを思う。なんて、少し細かい観察眼を持って、時間を大切に生きてるのよ私。的な発言に恥ずかしくなってきました(汗)。
なぜなら、それは一日家で休むと決めた日の私の有様だ…。
ソファか! と思うくらいにダラダラゴロゴロ、伸びに伸びて椅子と一体化する私。真矢さんに限って、ダラ~ッとすることなんかないでしょう? なんてドラマの刑事役か宝塚の男役の固定観念で見てくださるかた、これが結構多いのですが…できれば動画で見ていただきたいくらい、ダラけています(汗)。よくあるダメ人間至福の図。片手にポテトチップスやお菓子を置いてのテレビ三昧。簡単に一日がテレビと共に終わることもしばしば。
寝る前はユーチューブなんかも見ちゃって、こちらも“あなたにオススメの動画”なんて携帯まで気を利かせてくれる時代だからキリがないキリがない。
アー、また今日も20時間くらい起きてたと、結局睡眠不足の毎日が続いている私です。貧乏性はとまらない。やめられない。
“有効に一日を生きた”と目の下に勲章みたいなクマを作りながら、満足に酔いしれ生きるのか? はたまた、夜9時くらいから甥っ子と競う勢いで正しく眠りにつく毎日で生きるのか?
前倒しに早朝起きるようになった私の人生。24時間という限られた時間の中をどう過ごすのか…これぞ今、私に課せられた選択という大人の醍醐味なのかもしれない。
To be or not to be, that is the question.ではないけれど、私は今こそシェイクスピアに問いたい。
“起きているべきか? 寝るべきか? どちらが自分の為なのか”。 …それが問題だ。
撮影/渡辺達生
※女性セブン2017年2月2日号