韓国に詳しい新潟県立大学大学院教授・浅羽祐樹氏は次のように語る。
「今回の追及はサムスンだけで終わらないでしょう。ロッテは、崔被告の財団に資金を拠出したことの見返りに企業内のガバナンスの問題が見逃されたと疑われており、石油精製業や通信事業を軸とする韓国の財閥SKグループも財団への資金拠出と引き換えに会長が赦免を受けたのではないかと取り沙汰されています」
そうしたこの国の状況に世界が呆れ返っている。2016年11月21日付のウォール・ストリート・ジャーナル日本版はこう報じている。
〈今回のスキャンダルはまた、韓国のチェボル(財閥)が政治家の一族や仲間を通じて影響力を買っている実態を暴露した。韓国のセーフガード(防御装置)は再び崩れた〉
朴氏の後任を決める大統領選は今年の5月とみられ、次期候補に名乗りを挙げている野党「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)議員は「日韓合意の反故」を公言している。東京大学大学院教授のロバート・キャンベル氏はこういう。
「日韓合意に関しては外相が合意し、10億円の拠出も履行されている。その時点で合意が実効性を持ったものだと国際社会は理解している。新政権で合意が反故にされるということは理解されないでしょう」
この国と善隣関係を築ける日はやってくるのか。
※週刊ポスト2017年2月3日号