国内

トランプ氏 天皇と面会できるなら訪日してもOKとの意向か

日米首脳会談は2月10日に(トランプ氏のFacebookより)

 各国が競い合うドナルド・トランプ米大統領との首脳会談レース。2016年11月の大統領選勝利直後に行なわれた“予選”ではトランプ・タワーで最初に面会して得意顔になった安倍晋三首相は、外務省に「1月27日首脳会談」の日程を指示して“本戦”でも1番乗りに意欲満々だった。

 ところが、1月中旬になっても色よい返事がなく、ようやく28日に電話会談が実現し、首脳会談の日程が2月10日に決まった。結局トランプ氏が大統領就任後、初めて会談をした相手はイギリスのテリーザ・メイ首相となった。興味深いのは、そんなトランプ政権が安倍首相との首脳会談開催の“条件”として、名指しで麻生太郎・副総理の同席を求めていたことだ。

 首相訪米に副総理の同行は極めて異例。まるで「保護者も連れてこい」と言われているようなものではないか。自民党の外交族議員が裏話を明かした。

「トランプ大統領は大の王室好き。英国のメイ首相が最初の首脳会談相手になったのも、英国側が今年夏にトランプ氏を国賓で招待し、エリザベス女王との会見をセットすると打診したのが決め手になった。

 トランプ氏は日本に対しても“天皇と面会できるなら訪日してもいい”という意向を持っているという情報も伝わってきている。そこで皇室と縁戚である麻生副総理に訪米に同行してもらうことで首脳会談実現を働きかけたところ、米国側が乗ってきたそうだ」

 ダシに使われたとすれば麻生氏も面目丸潰れだが、いずれにしても安倍首相はどんな手を使っても首脳会談を実現したかったようだ。

 そうした安倍首相の焦りに対し、外務省OBの天木直人・元駐レバノン大使はこう忠告する。

「安倍さんはトランプ当選後真っ先に会談して『信頼できる指導者』と持ち上げた。だから就任後も優先的に首脳会談ができるだろうと踏んでいたのでしょう。

 しかし振られてしまったことは、結果的に日本にとって良かったと思う。トランプ氏は従来の外交のセオリーが通用する人物ではなく、日本も従来のような対米協調姿勢をとっていれば安心と考えるのは大間違いです。むしろ、準備期間ができたことで実のある会談をやりやすくなった、と前向きに考えた方がいい」

 トランプ大統領が日本の自動車市場で米国車が売れないことを「不公平だ」とかみつき、日本叩き発言を強めているところに安倍首相が揉み手しながら会いに行けば、面と向かって要求を突き付けられかねない。

 フラれた恥をコッソリ糊塗するのではなく、“逃げるは恥だが役に立つ”の精神こそ、「したたかな外交」というものだろう。

※週刊ポスト2017年2月10日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
多くの外国人観光客などが渋谷のハロウィンを楽しんだ
《渋谷ハロウィン2025》「大麻の匂いがして……」土砂降り&厳戒態勢で“地下”や“クラブ”がホットスポット化、大通りは“ボヤ騒ぎ”で一時騒然
NEWSポストセブン
声優高槻かなこ。舞台や歌唱、配信など多岐にわたる活躍を見せる
【独占告白】声優・高槻かなこが語る「インド人との国際結婚」の真相 SNS上での「デマ情報拡散」や見知らぬ“足跡”に恐怖
NEWSポストセブン
人気キャラが出現するなど盛り上がりを見せたが、消防車が出動の場面も
渋谷のクラブで「いつでも女の子に(クスリ)混ぜますよ」と…警察の本気警備に“センター街離れ”で路上からクラブへ《渋谷ハロウィン2025ルポ》
NEWSポストセブン
クマによる被害
「走って逃げたら追い越され、正面から顔を…」「頭の肉が裂け頭蓋骨が見えた」北秋田市でクマに襲われた男性(68)が明かした被害の一部始終《考え方を変えないと被害は増える》
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「日本ではあまりパートナーは目立たない方がいい」高市早苗総理の夫婦の在り方、夫・山本拓氏は“ステルス旦那”発言 「帰ってきたら掃除をして入浴介助」総理が担う介護の壮絶な状況 
女性セブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
《コォーってすごい声を出して頭をかじってくる》住宅地に出没するツキノワグマの恐怖「顔面を集中的に狙う」「1日6人を無差別に襲撃」熊の“おとなしくて怖がり”説はすでに崩壊
NEWSポストセブン
「原点回帰」しつつある中川安奈・フリーアナ(本人のInstagramより)
《腰を突き出すトレーニング動画も…》中川安奈アナ、原点回帰の“けしからんインスタ投稿”で復活気配、NHK退社後の活躍のカギを握る“ラテン系のオープンなノリ”
NEWSポストセブン
真美子さんが完走した「母としてのシーズン」
《真美子さんの献身》「愛車で大谷翔平を送迎」奥様会でもお酒を断り…愛娘の子育てと夫のサポートを完遂した「母としての配慮」
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)千葉県の工場でアルバイトをしていた
「肌が綺麗で、年齢より若く見える子」ホテルで交際相手の11歳年下ネパール留学生を殺害した浅香真美容疑者(32)は実家住みで夜勤アルバイト「元公務員の父と温厚な母と立派な家」
NEWSポストセブン