震え上がったのが刺客を送られる現職都議たちだ。都議会では早くも大分裂が起きた。
まず鈴木俊一都政(1979~1995年)以来、30年以上都議会で自民党と連立を組んできた公明党都議団が“連立解消”を宣言して小池支持を鮮明にした。続いて自民党都議からも3人の若手都議が造反、「親小池」の新会派・新風自民党を結成した。民進党からも出馬予定だった2人の元都議が都民ファーストの会に走った。
早くも選挙前から都議会勢力図の塗り替えが始まった。300人の刺客といっても、小池政治塾の塾生の大半は政治の素人だ。都民ファーストの会が2月上旬までに公認した都議選候補は現職や区議、元職など8人にすぎない。それなのに小池氏側が“70人立てるぞ”と吠えただけで、既成政党はガタガタになっているのだ。
都議選では自民党が大きく議席を減らすことが予想されるが、それ以上の打撃を受けるのは民進党だろう。前出の有馬氏が語る。
「都民ファーストの会が70人もの候補者を立てて自民党都議団と戦えば、無党派票の大部分は都民ファーストの会に流れる。支持基盤が固い公明党は一定の議席を維持するでしょうが、そのあおりを一番受けるのが選挙基盤の弱い民進党です。現在、民進党都議や候補が小池陣営に鞍替えする動きが出始め、さらに加速する流れもある。民進党は選挙前に壊滅的危機を迎える可能性があります」
※週刊ポスト2017年2月24日号