国内

「ご意向」に始まる混乱の最終責任は安倍首相にある

有識者会議にのぞむ今井敬座長(右から2人目) 共同通信社

 天皇陛下の生前退位をめぐる混乱はどこから生じたのか。陛下自らが「ご意向」を昨年8月に発表しつつも、「有識者会議」と意見がずれた。ジャーナリスト・東谷暁氏は、安倍政権にこそ責任があると指摘する。

 * * *
 ここで述べようとしているのは、今上天皇の「ご意向」にもかかわらず、それを実現しようとしない有識者会議への抗議ではない。そもそも、今上天皇の「ご意向」から始まった今回の譲位問題が、いまのような混乱に陥ったのは誰の責任なのかを再考し、その上で有識者会議を見直してみたいと思う。

 そもそも、今上天皇が「ご意向」を表明することが報道された事件は、いったい何と呼ぶべきだろうか。私はこれまで聞かれるたびに「これは宮内庁の一部とNHKの皇室担当者によるクーデターだ」と答えてきた。もちろん、この答を聞いて驚く人は多い。NHKテレビによる「ご意向」のスクープが報じられた直後に、ある雑誌に渡した拙文は「クーデター」という言葉ゆえに、結局、発表することができなかった。

 しかし、天皇制度をめぐる憲法および皇室典範という法制度を、「ご意向」という法制度には存在しない力によって変更する行為は、「法制度外の威力によって政体の転覆・変更を企てる」ことになる。政治学および法学からいって十分に「クーデター」に相当する。

 同じく「クーデター」という言葉を用いて、天皇ご自身のクーデターであると論じる人もいるが、それは適当ではない。今上陛下の「ご意向」が、憲法改正を望んでおられたのかどうかは不明だが、法制上は問題にならない。

関連記事

トピックス

不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《私が撮られてしまい…》永野芽郁がドラマ『キャスター』打ち上げで“自虐スピーチ”、自ら会場を和ませる一幕も【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
(SNSより)
「誰かが私を殺そうとしているかも…」SNS配信中に女性インフルエンサー撃たれる、性別を理由に殺害する“フェミサイド事件”か【メキシコ・ライバー殺害事件】
NEWSポストセブン
電撃引退を発表した西内まりや(時事通信)
電撃引退の西内まりや、直前の「地上波復帰CMオファー」も断っていた…「身内のトラブル」で身を引いた「強烈な覚悟」
NEWSポストセブン
女性2人組によるYouTubeチャンネル「びっちちゃん。」
《2人組YouTuber「びっちちゃん。」インタビュー》経験人数800人超え&100人超えでも“病まない”ワケ「依存心がないのって、たぶん自分のことが好きだから」
NEWSポストセブン
悠仁さまの大学進学で複雑な心境の紀子さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、大学進学で変化する“親子の距離” 秋篠宮ご夫妻は筑波大学入学式を欠席、「9月の成年式を節目に子離れしなくては…」紀子さまは複雑な心境か
女性セブン
品川区にある碑文谷一家本部。ドアの側に掲示スペースがある
有名ヤクザ組織が再び“義憤文”「ストーカーを撲滅する覚悟」張り出した理由を直撃すると… 半年前には「闇バイト強盗に断固たる処置」で話題に
NEWSポストセブン
現在は5人がそれぞれの道を歩んでいる(撮影/小澤正朗)
《再集結で再注目》CHA-CHAが男性アイドル史に残した“もうひとつの伝説”「お笑いができるアイドル」の先駆者だった
NEWSポストセブン
『THE SECOND』総合演出の日置祐貴氏(撮影/山口京和)
【漫才賞レースTHE SECOND】第3回大会はフジテレビ問題の逆境で「開催中止の可能性もゼロではないと思っていた」 番組の総合演出が語る苦悩と番組への思い
NEWSポストセブン
永野芽郁の不倫騒動の行方は…
《『キャスター』打ち上げ、永野芽郁が参加》写真と動画撮影NGの厳戒態勢 田中圭との不倫騒動のなかで“決め込んだ覚悟”見せる
NEWSポストセブン
電撃の芸能界引退を発表した西内まりや(時事通信)
《西内まりやが電撃引退》身内にトラブルが発覚…モデルを務める姉のSNSに“不穏な異変”「一緒に映っている写真が…」
NEWSポストセブン
入院された上皇さまの付き添いをする美智子さま(2024年3月、長野県軽井沢町。撮影/JMPA)
美智子さま、入院された上皇さまのために連日300分近い長時間の付き添い 並大抵ではない“支える”という一念、雅子さまへと受け継がれる“一途な愛”
女性セブン
交際が伝えられていた元乃木坂46・白石麻衣(32)とtimelesz・菊池風磨(30)
《“結婚は5年封印”受け入れる献身》白石麻衣、菊池風磨の自宅マンションに「黒ずくめ変装」の通い愛、「子供好き」な本人が胸に秘めた思い
NEWSポストセブン