国際情報

相手への感情や思惑がモロに出る、トランプ流握手に注目

気持ちが握手に出るトランプ大統領

 経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、トランプ大統領の握手を分析。

 * * *
 トランプ大統領の握手の仕方に注目が集まっている。大統領になって1か月、各国首脳との握手は、互いの主導権争いだけでなく、政治家同士の距離の近さも表していると言われるだけに、関心を集めるのも当然だ。

 中でも、安倍首相との19秒にも渡る長い握手は有名になった。自分のペースに巻き込んだと言わんばかりに、力強く握りしめた手を何度も引っ張り、タップした。握手を終えた後の安倍首相のなんとも言われぬ表情と合わせて、その時の動画は話題になった。

 ホワイトハウスに安倍首相を出迎えた時には、握手した手を握り直して自分の胸元にグッと引き寄せた。これは、大統領選でマイク・ペンス氏を副大統領に指名した時に見せた握手と同じである。ペンス副大統領は政治経験のないトランプ大統領と違い、政治的手腕や調整能力が評価されている政権のキーマンの一人。

「共に頑張っていこう。信用してやるから、うまくやってくれよ。そして裏切るなよ」という心の声が聞こえてきそうな握手ではないか。

 そんなトランプ大統領の握手には握り方だけでなく、手の差し出し方にも特徴がある。カナダのトルドー首相との握手を見ると、その違いがよくわかる。

 トルドー首相を出迎えたトランプ大統領は、右手をまっすぐ差し出した。イギリスのメイ首相、安倍首相と握手する際は、手の平を上に向けて差し出したのに、である。

 手の平を上に向けて差し出すのは、相手の警戒を緩めさせるとともに、あなたと友好的に話したいという気持ちの表れだと言われている。

 トルドー首相は、訪米前、難民受け入れを一時停止した大統領令に反する声明を出していた。あれだけ攻撃性の強いトランプ大統領が、トルドー首相にいい感情を持っていなかったとしても不思議ではない。

 握手したトランプ大統領は、すかさず首相の右肩をがっちりと押さえこんだ。同時にトルドー首相がつかんだのは大統領の肩口。つかんだ親指がピンと立っていることから、かなり力が入っていることが見てとれる。だがこの握手、勝負はトランプ大統領にあった。

 そのままの二人は、「トルネード」と表現された力比べのような握手を交わした。だが、トランプ大統領は首相の手をねじ伏せ、完全に手の平を下に向けた支配的な握手で終えたのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン