さらに白内障と診断された場合、あまり手術を先延ばしするのは得策でないと深作氏はアドバイスする。
「日本ではいつまでたっても『まだ早い』と手術しないケースが多いが、欧米では早期の手術が当たり前です。白内障の治療を遅らせると水晶体が大きくなって、隅角という目の中の水分の排出口が狭くなると、眼圧が高まり、緑内障を発症するリスクがあります」
日頃の予防を心がけることも重要だ。
「目をこすりすぎると水晶体を刺激して白濁しやすくなります。紫外線による刺激も原因といわれているので、UVカットのサングラスも効果的です。また、糖尿病は網膜症の症状が有名ですが、代謝異常により白内障にもかかりやすくなります。糖尿病気味の方は糖質制限食が効果的でしょう」
早期発見のためには「見え方の変化」がポイントだ。
「水晶体が濁ると光が乱反射して、ものがいくつも見えたり、色の感覚に異常をきたします。夜、月を目視したとき複数に見えたり、銀行や役所などにある記入用紙の薄い赤字が極端に見えなくなったら危険信号です。濃紺や紫、濃緑色が黒色に見えるようになるため、左右で違う色の靴下を履くこともあります」
また糖尿病やアトピー、腎炎などでステロイドを服用している場合も白内障になりやすいといわれている。
※週刊ポスト2017年3月3日号