チームメイトである球界の至宝・大谷翔平(22)の右足首負傷が発覚し、記者たちがネタに困ったからか、キャンプイン直後には〈佑が開幕投手候補!栗山監督が指名〉(2月4日、デイリースポーツ)という花火が打ち上げられたが、わずか17日後、楽天との練習試合で2回5失点の大炎上。開幕投手どころか、一軍生き残りにも黄信号が灯っている。
5球団競合指名のドラ1ルーキー・田中正義(22、ソフトバンク)も、佐藤義則投手コーチが〈マー君(田中将大、28)より上〉(2月2日、日刊スポーツ)と大絶賛。〈正義「8割の力」でバットへし折った〉(2月10日、大阪日刊スポーツ)と報じられたが、2月23日の紅白戦で2回4四球の“コントロール難”が露呈した。
プロの目から見ても、この時期の報道は割り引いて読むべきだという。野球評論家の江本孟紀氏が解説する。
「巨人の新加入投手は、カミネロも、台湾出身のドラフト7位、リャオ・レンレイ(23)も、球は速いが、問題は実戦でストライクが入るかどうかです。
せめて3月後半のオープン戦まで見ないと、実力なんて分かりませんよ。記者たちもシーズン中はスタンドの記者席から見る投球を、キャンプではブルペンの真後ろから見るわけですから、どんな投手も迫力が増して見えるに決まっています。しかも他に話題がないから、景気の良さそうな材料に飛びついて書く。斎藤の開幕投手は典型的です。本当に、ええ加減にせぇよという感じです」
※週刊ポスト2017年3月10日号