ビジネス

ヤマトの宅配ドライバー「Amazonなければ辞めてなかった」

ヤマトを辞めたドライバーが語る

 ネット通販の拡大によって、宅配市場は急成長を遂げたが、現場のドライバーたちにとっては、ただ負担が増すばかりだった。アマゾンやユニクロへの潜入取材で話題を呼ぶジャーナリストの横田増生氏が、ヤマト運輸や佐川急便に潜入して著した『仁義なき宅配』(小学館刊)で体感した現場の過酷さとは──。

 * * *
 現場が疲弊する最大の理由は運賃の低下にある。業界のシェア50%近くを握るヤマト運輸の2000年の1個当たりの平均運賃単価は740円台だった。それが直近の単価は570円台まで下がっている。2割以上の下落である。

 運賃下落の最大の要因は、アマゾンをはじめとしたネット通販各社への大口割引にある。多くのネット通販が、送料無料を掲げるが、実際はネット通販の運賃を肩代わりして支払っている。しかし、利用者から送料を受け取らないだけに、宅配各社へ支払う運賃は低く抑えられる傾向が強くなる。

 そのなかでも、アマゾンからヤマト運輸が受け取る運賃は300円前後となり業界で最安値の水準にあるといわれている。しかし、出荷個数は3億個前後で、ヤマト運輸の取扱個数の約2割を占める。宅配便業界が“豊作貧乏”に陥っている理由がここにある。

 2016年に辞めたヤマトのドライバー2人は、「アマゾンの荷物がなければ辞めてなかっただろう」と口を揃える。

 アマゾンからの荷物は、数が多いだけではなく、荷物が各宅急便センターに届くタイミングも遅い。通常、センターには、毎日3回、センターごとに仕分けされた荷物が配達されてくる。朝が午前6時前後、昼が午後2時前後、夕方が午後5時前後。アマゾンからの荷物は、5時頃の便で大量にやってくる。40個や50個が運ばれてくることもある。

 6時頃に出庫する際の残貨が80個を超えると危険水域だ。民家への配達は1時間で20個前後。そうなると最終の夜9時までに配り終えるのは難しい。焦ったドライバーが、日付が変わって寝静まった民家に誤って配達して「こっぴどく怒られた」という話も聞いた。

※週刊ポスト2017年3月24・31日号

関連キーワード

トピックス

山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。千葉県の工場でアルバイトをしていた
【ホテルで11歳年下の彼を刺殺】「事件1か月前に『同棲しようと思っているの』と嬉しそうに…」浅香真美容疑者(32)がはしゃいでいた「ネパール人青年との交際」を同僚女性が証言
NEWSポストセブン
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
保護者責任遺棄の疑いで北島遥生容疑者(23)と内縁の妻・エリカ容疑者(22)ら夫妻が逮捕された(Instagramより)
《市営住宅で0歳児らを7時間置き去り》「『お前のせいだろ!』と男の人の怒号が…」“首タトゥー男”北島遥生容疑者と妻・エリカ容疑者が住んでいた“恐怖の部屋”、住民が通報
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
「港区女子がいつの間にか…」Nikiが親密だった“別のタレント” ドジャース・山本由伸の隣に立つ「テラハ美女」の華麗なる元カレ遍歴
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン